2019年10月24日 / 最終更新日 : 2020年10月28日 レペ 国内小説 【本の感想】辻村深月『ツナグ』 生者と死者が相見えるひとときを描いた連作短編集です。生者からの依頼を受けて死者との面会をコーディネートするものがツナグ。本作品集は、ツナグ見習い(?)の男子高校生 歩美が使者の任を担います。
2019年10月18日 / 最終更新日 : 2020年11月2日 レペ 国内小説 【本の感想】花村萬月『ゲルマニウムの夜』 殺人を犯し、少年の頃暮らしていた修道院兼教護院に身を隠す青年 朧が主役の連作短編集です。本作品集に通底するのは、欺瞞に対する沸々とした憤懣でしょうか。
2019年10月17日 / 最終更新日 : 2020年8月26日 レペ 国内小説 【本の感想】津村記久子『ポトスライムの舟』 ワーキングプアがクローズアップされていた世相を反映した作品なのでしょう。本作品は、そこに見られる悲劇に拘泥するのではなく、むしろ、日々を前向きに生きていこうという活力、そして清々しさを感じさせてくれます。
2019年10月12日 / 最終更新日 : 2021年1月6日 レペ 国内小説 【本の感想】星新一『妄想銀行』 どの年代でも、どこの国でも楽しめる、著者の普遍性への指向を感じる短編集です。喜怒哀楽といった情緒を削ぎ落とし、一歩引いた所から淡々と物語が紡ぎだされます。何時読んでも古びた感じがしないのが素晴らしいですね。
2019年10月1日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】原田マハ『ジヴェルニーの食卓』 芸術家たちの人生のひとときを切り取った短編集です。登場するのはアンリ・マティス、エドガー・ドガ、ポール・セザンヌ、クロード・モネ。現存する絵画から物語を構築するあたり、著者のキュレーターとしての知見が遺憾なく発揮された作品集となっています。
2019年9月29日 / 最終更新日 : 2021年1月6日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『陰の季節』 警察の面子を守るために奔走し、組織の内部統制を如何に保ち続けるかに腐心する管理部門の警官らの物語です。心理的な緊迫感のある人間ドラマとなっています。意外な結末が待っているので、社会派推理小説が苦手でも楽しめるでしょう。
2019年9月15日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】村上龍『トパーズ』 都会の夜とマニアックな性愛が主役となる女性の視点で描かれた短編集です。読み終えるごとに疲労感が蓄積します。官能というより暴力に近いですね。グロスクと言っても良いでしょう。現実というものの一つの捉え方として理解はできます。
2019年9月5日 / 最終更新日 : 2020年12月28日 レペ 国内小説 【本の感想】奥田英朗『マドンナ』 勤め人として一番大変な時期の、おっさんらが主役の短編集です。不惑の歳であるはずが、迷いに迷っている男たち。四十にして惑わずなんて、今や昔なんだと痛感してしまいます。「あるある、分かるよその気持ち」と首肯することしきりです。
2019年9月2日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 海外小説 【本の感想】シャーリイ・ジャクスン『くじ』 不快な気分の時を思い起こさせるちょっと厭な作品集です。客観的には些細なことが、受けての精神状態によっては非常に辛い現実に映ります。相容れない二者の感情的な隔たりを、ネガティヴな側にスポットを当てて描いているようです。
2019年8月10日 / 最終更新日 : 2020年8月11日 レペ 国内小説 【本の感想】伊坂幸太郎『フィッシュストーリー』 ありそうでなさそうな4っつ物語が収められた作品集です。他の作品と人物、出来事等がクロスオーバします。fish storyは、”ほら話”の意味。伊坂ワールドがそもそも、壮大な”ほら話”ですよね。