2020年12月28日 / 最終更新日 : 2020年12月28日 レペ 海外小説 【本の感想】スティーヴン・キング『クージョ』 狂犬病を患った巨大な犬が、車に立て籠もった母子をひたすら襲うというごく単純なストーリ―です。短編ですら間が持たないシチュエーションでしょう。これを、読み手を飽きさせるどころか、息もつかせぬ極上のパニック長編に仕立て上げるのが巨匠キング
2020年10月25日 / 最終更新日 : 2020年10月23日 レペ 国内小説 【本の感想】舞城王太郎『淵の王』 舞城流の怪談話し三作品が収録された短編集です。どの作品も、冗長ともいえる至ってフツーの会話が延々と続き、いつの間にやら不条理な怪異の世界へ誘われます。これまた舞城王太郎初心者にはキツめの作品集ですね。
2020年8月16日 / 最終更新日 : 2020年11月16日 レペ 国内小説 【本の感想】乙一『平面いぬ。』 元ネタが想像できそうな4編が収録された短編集。泉鏡花「高野聖」を想起する怪談話、イマジナリーフレンドもの、乙一版トイストーリーにど根性ガエルといったところ。家族の葛藤を織り込んだ「平面いぬ。」はオススメ作品です。
2020年6月6日 / 最終更新日 : 2020年11月16日 レペ 国内小説 【本の感想】山白朝子『死者のための音楽』 グロテスクさと切なさをあわせもつ怪談集です。殆どの作品が、時代背景がはっきりしないせいか、お伽話のような空気感が漂よっています。死が色濃く描かれていますが、寂しさや儚さの中に清々しさすら感じさせますね。
2020年3月27日 / 最終更新日 : 2021年1月4日 レペ 国内小説 【本の感想】泉鏡花『高野聖』 旅僧の夜語りから始まる怪異譚です。あらすじを知っていても度々読みたくなるのは、幻想世界への誘いが強烈だからでしょう。イマジネーションに身を委ねると、ひりつく暑さの中での匂い立つような淫蕩さが、五感を刺激します。これぞエロチズムですね。
2020年1月30日 / 最終更新日 : 2020年9月29日 レペ 海外小説 【本の感想】クリスチアナ・ブランド『領主館の花嫁たち』 英国らしい幽霊譚の体裁を取りながら人の奥底に潜む憎しみの発露を描いています。幽霊譚としては恐ろしくはありませんが、見返りを求める愛があっけなく憎しみに陥る人間の性(さが)に寒々とするでしょう。
2020年1月18日 / 最終更新日 : 2020年8月17日 レペ 国内小説 【本の感想】乙一『夏と花火と私の死体』 子供の死を扱った物語は苦手ですが、 乙一 の本デビュー作は読んでいてそれほど嫌な思いをしません。死んでしまった「私」が語り手になっているからか現実感が希薄なのです。まるで隠れんぼをしている子が、オニの様子を窺っているようです。
2019年12月11日 / 最終更新日 : 2020年9月29日 レペ 海外小説 【本の感想】ピーター・ストラウブ『扉のない家』 スーパーナチュラルを全面に押し出さず、人間の心理を丹念に描写することで恐怖を煽っているのが特徴的です。じっくりと長い物語の過程を楽しむことができるかが、好き嫌いの分かれ目でしょう。
2019年12月9日 / 最終更新日 : 2020年8月13日 レペ 海外小説 【本の感想】スティーヴン・ジョーンズ 編『フランケンシュタイン伝説-海外ホラーSF短編集』 フランケンシュタインがテーマのホラーSFアンソロジーです。”モンスターとして生まれた苦悩”みたいなステレオタイプな作品はなく、読んでいて飽きはこないでしょう。
2019年12月7日 / 最終更新日 : 2020年10月7日 レペ 海外小説 【本の感想】ピーター・ストラウブ『ゴースト・ストーリー』 文学志向の強いホラー作品です。しっとり、じわじわな恐怖譚を思い描くとハズレるかもしれません。現実と幻想が入り混じったような恐怖を煽り立てるシーンは絶妙なのですが。