2020年6月7日 / 最終更新日 : 2020年10月26日 レペ 国内小説 【本の感想】筒井康隆『最後の伝令』 「書きたいものを書いています」的な自由闊達さは相も変わらずなのですが、いくつかのレビューに見られる通り、死が強く意識された作品が多いように思えます。平成元年に著者のお父上や手塚治虫が逝去されており、このことが作品に影響しているのかもしれません。
2020年4月7日 / 最終更新日 : 2021年1月27日 レペ 国内小説 【本の感想】筒井康隆『エロチック街道』 著者ならではの実験的な作品を読むことができますが、毒性は極めて少ない短編集です。ニヤニヤ笑いが止まらない歴史小説のパロディー「時代小説」、映画化もされたとってもハッピーな「ジャズ大名」、他が収録されています。
2020年2月16日 / 最終更新日 : 2020年12月14日 レペ 国内小説 【本の感想】筒井康隆『魚籃観音記』 孫悟空と観音様の濡れ場をひたすら書きつづっています。宗教観の違う国なら大変な問題になっているでしょう。冒涜的ともいえる毒が著者の持ち味。もっとも、エロ表現の多彩さに笑ってしまうばかりで歓喜法悦には程遠いのですが。
2019年10月12日 / 最終更新日 : 2021年1月6日 レペ 国内小説 【本の感想】星新一『妄想銀行』 どの年代でも、どこの国でも楽しめる、著者の普遍性への指向を感じる短編集です。喜怒哀楽といった情緒を削ぎ落とし、一歩引いた所から淡々と物語が紡ぎだされます。何時読んでも古びた感じがしないのが素晴らしいですね。
2019年9月2日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 海外小説 【本の感想】シャーリイ・ジャクスン『くじ』 不快な気分の時を思い起こさせるちょっと厭な作品集です。客観的には些細なことが、受けての精神状態によっては非常に辛い現実に映ります。相容れない二者の感情的な隔たりを、ネガティヴな側にスポットを当てて描いているようです。
2019年6月6日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 海外小説 【本の感想】ダフネ・デュ・モーリア『人形』 14編からなる短編集です。全編ともに明るい未来をすかっと裏切ってしまうバットエンディング(サッドエンディングか)で、デュ・モーリアっぽいのですが、20歳そこそこから暗澹たる作品を書きつられている、その人となりに興味を覚えてしまいます。