2020年11月6日 / 最終更新日 : 2020年11月11日 レペ 国内小説 【本の感想】重松清『十字架』 いじめ自殺をテーマとした作品です。とは言え、本作品の主人公は、いじめの被害者でもなく、いじめの加害者でもありません。自死を選んだ被害者から、親友と名指しされた少年なのです。しかし、長く苦しみ過ぎだろうというのが拭い去れません。
2020年3月11日 / 最終更新日 : 2022年4月2日 レペ 国内小説 【本の感想】長嶋有『タンノイのエジンバラ』 こはなとなく寂しさが漂う短編集です。どの作品の背景にも不倫があるからか、当事者や周辺の人々の痛みに感じ入ってしまいます。殊更に暗くはありませんが、直截に描かれていないことを想像するとキュンとなりますね。
2020年2月11日 / 最終更新日 : 2022年4月2日 レペ 国内小説 【本の感想】原田マハ『#9(ナンバーナイン)』 パッとしない女子が、ひとかどの男に見初められ、才能を開花させてしまうというシンデレラ・ストーリーです。ボーイ・ミーツ・ガールのありふれたラブストーリーとは違って、せつなさをきっちりと印象付ける重厚な仕上がりになっています。
2019年12月26日 / 最終更新日 : 2020年8月13日 レペ 国内小説 【本の感想】乙一『さみしさの周波数』 平易で簡潔な文章にじんわりと感動を織り込んている作品集です。羽住都描くところのカバーイラストや挿絵も作品世界にフィットしているし、年齢問わずに楽しむことができます。
2019年12月1日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】薬丸岳『刑事のまなざし』 通り魔に娘を植物状態にされた元法務技官の刑事 夏目信人が主役のミステリ短編集です。収録作品全7編に通底しているのは、決して癒えることのない心の痛み。夏目は、愛のために人を殺し、愛の裏返しで人を殺してしまう人々の心の奥底を炙り出していきます。
2019年11月23日 / 最終更新日 : 2020年9月15日 レペ 国内小説 【本の感想】乙一『天帝妖狐』 せつない系に属するホラーです。狼男の孤高さに、フランケンシュタインの悲哀を加え、和風テイストに仕上げたような作品となっています。場所や年代は特定されないけれど、懐かしさを伴なった昭和の匂いがします。
2019年7月29日 / 最終更新日 : 2020年10月1日 レペ 国内小説 【本の感想】乙一『きみにしか聞こえない―CALLING YOU』 『Calling You』、『傷-KIZ/KIDS』、『華』 三作品が収録されています。愁いのある美麗なカラーイラストが、作品の胸をうつ読後感にとてもピッタリ。人恋しくなってしまうような一抹の寂しさが漂っています。
2019年6月15日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】吉田修一『さよなら渓谷』 過去の悲惨な出来事から抜け出せない男女。赦されたいけれどそれは別れを意味する。赦したいけれど赦すと自分を見失ってしまう。 哀しみや憎しみから出発する愛もある。ひとつの愛のかたちとして受け止めました。
2019年4月15日 / 最終更新日 : 2020年9月1日 レペ 国内小説 【本の感想】乙一『暗いところで待ち合わせ』 視力を失った女性と、その家に逃げ込んだ殺人事件の容疑者が演じる無言劇です。孤独な二人が同じ空間を共有しながら、心を通わせていく様が感動を呼びます。意外な真実で幕を閉じますが、とても晴れやかな気分になるでしょう。白乙一派には感涙ものの逸品です。