2020年12月25日 / 最終更新日 : 2022年4月2日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『ノースライト』 再生の物語です。D県警シリーズ、F県警シリーズといった、事件をとりまく男たちが沸騰する警察小説・・・とは全く異なります。本作品は、ミステリとしては、サスペンスフルな展開よりも、叙情的なシーンが勝っているのです。
2020年6月30日 / 最終更新日 : 2020年12月23日 レペ 国内小説 【本の感想】東川篤哉『謎解きはディナーのあとで』 本格ものとして十分に愉しめます。事件が発生する → お嬢様刑事が上司にいじられる → お嬢様が混迷の極みに陥る → お嬢様をコケにしつつ執事が見事に解決してみせる、というパターンの短編集です。謎解きに集中するには、心地良くはありますか。
2020年5月19日 / 最終更新日 : 2020年9月8日 レペ 国内小説 【本の感想】吉田修一『路 (ルウ)』 台湾新幹線プロジェクトに携わった人々と、その周辺を描く群像劇です。物語は、現地台湾で、日本の威信をかけたプロジェクトを完遂せんと奮闘する人々を中心に展開します。プロジェクトの進捗と、それに伴う人々の悲喜こもごも、そして成長の姿が描かれます。
2019年12月21日 / 最終更新日 : 2022年4月2日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『第三の時効』 事件を巡って、刑事たちの生き馬の目を抜くようなアツい鍔迫り合いが展開されます。焦りや苛立ち、嫉妬といった感情が、ストレートに伝わってきます。そういう中にも、凛とした男の矜持を垣間見せてくれるシーンがあるのです。
2019年12月20日 / 最終更新日 : 2021年1月13日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『顔 FACE』 D県警の婦警を主役に据えた連作短編集です。信念を貫いたため組織から爪弾きにされてしまった20代の女性が描かれています。嫉妬、悔悟、混迷といった主人公の内省的な部分にスポットが当たっているのが、本短編集の特徴でしょうか。
2019年12月19日 / 最終更新日 : 2020年10月8日 レペ 国内小説 【本の感想】湊かなえ『リバース』 殺人の告発文で幕を開けます。読者は、早々に目星がつくでしょうから、驚きは大きくありません。 読み進めて いくと、きれいに収まってしまう予感に脱力しかけます。タイトルの意味だけが謎のまま。ところが著者は、ラスト一頁でやってくれるのです。
2019年12月12日 / 最終更新日 : 2021年1月7日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『動機』 D県警シリーズの第二短編集です。鬱屈し切羽詰まった心理状態の人々が織り成す物語は、決して読後感が良いわけではありません。けれど、彼らの人生それからを思うと、感慨は一入です。全四編に通底するテーマは、自分自身を見つめ直すということでしょう。
2019年9月29日 / 最終更新日 : 2021年1月6日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『陰の季節』 警察の面子を守るために奔走し、組織の内部統制を如何に保ち続けるかに腐心する管理部門の警官らの物語です。心理的な緊迫感のある人間ドラマとなっています。意外な結末が待っているので、社会派推理小説が苦手でも楽しめるでしょう。
2019年9月10日 / 最終更新日 : 2020年10月8日 レペ 国内小説 【本の感想】湊かなえ『贖罪』 田舎町で発生した女子児童殺人事件。犯人を目撃した4人の小学生は、被害者の母親から激しい言葉を浴びせられます。15年後、憑かれたように罪を犯してしまう女性たち。善意を悪意に変換してしまう人の厭らしさに、不快感を募らせる作品です。
2019年8月30日 / 最終更新日 : 2020年8月19日 レペ 国内小説 【本の感想】恩田陸『ネバーランド』 男子高校生4人のひと冬、7日間の物語です。親との縁が薄い彼らの集う男子寮「松籟館」がネバーランド。自分をさらけ出し、分かち合い、分かり合える場所です。大人の境界すらまだまだ先である彼らは何を得るのでしょうか。