2020年7月12日 / 最終更新日 : 2020年10月2日 レペ 国内小説 【本の感想】中村彰彦『二つの山河』 大正時代の板東ドイツ人俘虜収容所所長 松江豊寿の半生を描いた作品です。松江豊寿は、知名度は高くはありませんが(自分が知らないだけ?)、本作品を読むと、この時代にあってヒューマニズムの何たるかを理解知っていた人物のようです。
2020年7月4日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】花村萬月『弾正星』 戦国の梟雄 松永弾正久秀の生涯を描いた作品です。戦国好きには、あまりに有名な主人公であるので、著者がどう味付けしてくれるかが興味の中心です。ノワール感、プリーズと思い続けていたら、結局、友情物語でしたか。
2020年6月14日 / 最終更新日 : 2020年6月11日 レペ 国内小説 【本の感想】吉川永青『時限の幻』 会津蘆名氏の執政 金上盛備と奥州の覇者 伊達政宗の虚々実々の攻防を描いています。「交渉力」がキーワードなのですが、盛備がさほど魅力的な人物に見えません。ゆえに主人公の最期の瞬間、感慨にふけることができませんでした。
2020年4月6日 / 最終更新日 : 2021年1月27日 レペ 国内小説 【本の感想】北原亞以子『恋忘れ草』 江戸時代(天保三年頃)の、職業婦人、現代で言うところのキャリアウーマンが主役の短編集です。本作品集は、仕事に恋に生きる女性たちの逞しさが、活き活きと描かれています。読了時には、明日への活力を与えてくれる、爽やかな余韻の残してくれます。
2020年2月23日 / 最終更新日 : 2020年9月23日 レペ 国内小説 【本の感想】鳥羽亮『絆―山田浅右衛門斬日譚』 実在した死刑執行人 山田浅右衛門吉利が主役の連作短編集です。死に値する罪を犯した人々を中心に、物語がつづられていきます。吉利が彼らの人生に終止符を打つ時にみせる、慈愛、苦悩、怒りが胸に迫ります。
2020年1月6日 / 最終更新日 : 2020年10月7日 レペ 国内小説 【本の感想】冲方丁『光圀伝』 水戸光國の生涯を描いた作品です。武断政治から文治政治へのターニング・ポイントを背景に、光圀がどのように人間的な成長を遂げていったかに着目しています。青春小説であり、成長小説であり、儒教思想に触れることができる教養小説です。
2019年10月19日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】山本兼一『利休にたずねよ』 美の求道者 千利休の生涯を描いた作品です。本作品は、千利休の切腹前夜 70歳から魚屋の道楽息子だった19歳へ、時を遡るかたちで物語が展開します。冒頭の、利休が殺した女という独白、そして緑釉の香合の謎が、ラストまで読者を引っ張っていくことになります。
2019年5月16日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 国内小説 【本の感想】渡辺淳一『光と影』 運命の悪戯で全く別の人生を歩むこととなった二人の男。本作品には男のジェラシーが丹念に描かれていますが、ここは後の大恋愛小説家としての萌芽が見られますね。著者の医師としての視線を巧みに取り入れた密度の濃い作品です。
2019年3月31日 / 最終更新日 : 2020年8月18日 レペ 国内小説 【本の感想】綱淵謙錠『斬』 1972年 第67回 直木賞受賞作。 綱淵謙錠『斬』は、世襲の試刀師であり、処刑人でもあった山田浅右衛門の物語です。 本作品は、幕末の動乱が終息し、日本が西洋化を推し進めていく明治初期を時代背景としています。武士の時代が […]