2020年10月19日 / 最終更新日 : 2020年11月19日 レペ 国内小説 【本の感想】戸梶圭太『CHEAP TRIBE ベイビー、日本の戦後は安かった』 1957年から1995年までの5章からなる連作短編集で、その時々の世相を切り取ったかたちでストーリーは進みます。ひたすらヒトの暗い部分を目の前に開陳され、笑いがないから、どうにも疲れてしまいます。
2020年8月15日 / 最終更新日 : 2020年8月17日 レペ 国内小説 【本の感想】花村萬月『なで肩の狐』 組の内紛に巻き込まれた、元ヤクザの姿を描いた作品です。本作品の木常(キツネ)は、グロテスクなくらいに暴力を振るいますが、一方では純粋な愛情と友情を持ち合わせた男です。後半はロードノベルの様相を呈しますが、何やら消化不要。後日譚『狼の領分』に期待かな。
2019年12月15日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】吉村萬壱『バースト・ゾーン ― 爆裂地区』 異国のテロリストを殲滅せんと、戦闘員となった市井の人々が奏でるSFテイストの群像劇です。登場人物たちは、品性下劣ともいうべき輩。著者独特の筆致で、誰もが持っている根源的ない厭らしさを、ど直球で突きつけてきます。
2019年9月3日 / 最終更新日 : 2022年4月2日 レペ 国内小説 【本の感想】吉村萬壱『クチュクチュバーン』 ホラーテイストのSF作品集です。人が人でなくなる過程を描いた3作品が収録されています。救いも笑いもないので、読了したときの気分はよくはありません。でもクセになりそう。好き嫌いを超越したところにある作品集なのでしょうね。
2019年7月12日 / 最終更新日 : 2020年8月7日 レペ 国内小説 【本の感想】村上龍『イン ザ・ミソスープ』 残虐な手口で殺人を繰り返す外国人観光客フランクと、彼を風俗へアテンドする羽目になったケンジの数日を描いています。本作品はサイコパスもの?いえいえ、 グロテスクなだけのサスペンスではないのです。
2019年6月7日 / 最終更新日 : 2020年12月29日 レペ 国内小説 【本の感想】平山夢明『DINER (ダイナー)』 殺し屋専用のダイナーで繰り広げられる奇妙奇天烈な物語です。美麗な料理と過激な暴力が渾然一体となり悪党どもの宴が催されます。異形異才の殺し屋たちのキレっぷりが楽しいですね。まるでマカロニウエスタンのような緊張感がたまりません。
2019年4月22日 / 最終更新日 : 2020年8月18日 レペ 国内小説 【本の感想】平山夢明『デブを捨てに』 借金の肩代わりとして、貸主の超絶肥満な娘を捨てに行くというお話しです。収録されている他の作品も同様で、痛くて、気色の悪い作品集となっています。しかしながら、嫌悪感だけに終わらないものがありますね。ラストに些かなほっこり感があるからでしょうか。
2019年4月19日 / 最終更新日 : 2020年8月18日 レペ 国内小説 【本の感想】大江健三郎『性的人間』 読後感がすこぶる悪い作品です。著者が、セクシュアリティをテーマとしている時代の作品ということですが、主人公が内省的で閉塞感が強く、読んでいて凹んできます。ただ、これは内容が好きか嫌いかの次元の話であって、作品に力があることには相違ありません。