2020年12月12日 / 最終更新日 : 2020年12月21日 レペ 国内小説 【本の感想】中島京子『小さいおうち』 戦前から戦中にかけて女中を勤めた老女の回顧録です。赤い三角屋根の小さな洋館で、主人公が秘かに憧れを抱く奥様を中心とした日々がつづられていきます。奥様が身を焦がした密やかな恋愛に、主人公は心穏やかではありません。
2020年9月28日 / 最終更新日 : 2020年9月25日 レペ 国内小説 【本の感想】伊藤たかみ『雪の華』 匂いを視覚的に認識する共感覚の持ち主を中心に、せつない系ラブストーリーです。共感覚で結びつけられた男女の出会いが登場人物たちの関係性を徐々につまびらかにするという趣向。共感覚の必然性は疑問でしょうか。
2020年9月11日 / 最終更新日 : 2020年10月28日 レペ 国内小説 【本の感想】辻村深月『盲目的な恋と友情』 女子二人に起きた死にまつわる出来事をそれぞれの視点で描いた作品です。「恋」と「友情」というタイトルで章が分かれており、それぞれが、恋愛と友情へ一直線過ぎるがゆえにかえって居たたまれない気持ちにさせられる作品です。
2020年9月3日 / 最終更新日 : 2020年9月2日 レペ 国内小説 【本の感想】吉田修一『7月24日通り』 夢想女子の恋愛模様を描いた作品です。自身の住んでいる街を、未だ見ぬリスボンと重ね合わせ夢想するのが好きなOL小百合。同窓会で憧れの存在聡と再会し、アプローチを受けます。その頃、小百合には出会いがあって・・・。ラストの小百合の決断に不満です。
2020年8月27日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】吉田修一『東京湾景』 東京湾を挟んだ品川埠頭とお台場で展開されるラブストーリーです。携帯サイトで知り合ったワークスタイルもライフスタイルも違う二人。恋しくて愛おしくてといった胸焦がれるほどの思いを感じない、どこか乾いた部分がリアルです。
2020年5月19日 / 最終更新日 : 2020年9月8日 レペ 国内小説 【本の感想】吉田修一『路 (ルウ)』 台湾新幹線プロジェクトに携わった人々と、その周辺を描く群像劇です。物語は、現地台湾で、日本の威信をかけたプロジェクトを完遂せんと奮闘する人々を中心に展開します。プロジェクトの進捗と、それに伴う人々の悲喜こもごも、そして成長の姿が描かれます。
2020年4月21日 / 最終更新日 : 2020年12月24日 レペ 国内小説 【本の感想】山本文緒『恋愛中毒』 妙齢の女性がはまり込んでしまった恋愛事情を描いた作品です。タイトルからは、次々と男性遍歴を重ねるような印象を受けますが、さにあらず。たった一人の男に、どっぷりと浸かった女性が主人公です。
2020年4月14日 / 最終更新日 : 2021年2月8日 レペ 国内小説 【本の感想】中村航『100回泣くこと』 ぼく(I)と、きみ(You)ではなくWeの物語。二人が紡ぎ、積み重ねていく、二人だけの世界は、微笑ましいくらいに透き通った愛に満たされています。愛する人の死がテーマですが、癒しに似た清々しさを感じます。
2020年4月3日 / 最終更新日 : 2021年1月19日 レペ 国内小説 【本の感想】柚木麻子『早稲女、女、男』 早稲田女子を中心に展開される、女子大生たちの恋愛事情を描いた連作短編集です。本作品集は、早稲田、慶応、立教、学習院と、女子大生を類型化して主役に据えています。彼女らの恋愛模様から、それぞれの出身大学の個性を特徴づけているのが楽しいですね。
2020年2月11日 / 最終更新日 : 2022年4月2日 レペ 国内小説 【本の感想】原田マハ『#9(ナンバーナイン)』 パッとしない女子が、ひとかどの男に見初められ、才能を開花させてしまうというシンデレラ・ストーリーです。ボーイ・ミーツ・ガールのありふれたラブストーリーとは違って、せつなさをきっちりと印象付ける重厚な仕上がりになっています。