2020年1月16日 / 最終更新日 : 2020年9月28日 レペ 国内小説 【本の感想】本多孝好『真夜中の五分前』 恋愛小説のside-A、ミステリのside-Bと、二分冊で趣が異なる構成です。謎の決着はもちろんのことですが、本作品は主人公が辛い過去とどう折り合いをつけていくのかが見所です。成長の物語としても読むことができますね。
2019年11月25日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】吉田修一『静かな爆弾』 聴力にハンディキャップのある女性と、テレビ局に勤務する男性が織り成す恋愛小説です。男性をありがちな庇護者として描いておらず、湿度が極めて少ない作品です。なにより、音で隔絶された二人の出会いのシーンが素晴らしいのです。
2019年10月30日 / 最終更新日 : 2020年9月23日 レペ 国内小説 【本の感想】皆川博子『恋紅』 江戸時代が終焉を迎えつつある頃の遊郭を舞台に、楼主のお嬢様と旅役者の恋を描いた作品です。遊郭にうずまく男女の情念や芝居にかける役者の執念の表現は、著者の筆によって、幻想的ともいえる妖しさをともなっています。
2019年10月5日 / 最終更新日 : 2020年8月18日 レペ 国内小説 【本の感想】西加奈子『きいろいゾウ』 田舎に越してきた都会育ちの夫婦の物語です。シアワセいっぱいのムコさんとツマ…のはずなんですが、ムコさんの背中には大きな鳥のタトゥーが彫られており、ツマは生き物の声が聞こえるという特異(?)体質。ゆるゆるの展開かと思いきや暗雲がたち込めるのです。
2019年8月28日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】村山由佳『星々の舟 Voyage Through Stars』 昔気質の職人の父、長男、次男、長女、次女ら家族の、それぞれの人生のひと時が描かれた連作短編集です。赦されない愛もひとつの愛のかたち。彼らが、それぞれの愛に懊悩する(した)姿が描かれていきます。
2019年6月15日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】吉田修一『さよなら渓谷』 過去の悲惨な出来事から抜け出せない男女。赦されたいけれどそれは別れを意味する。赦したいけれど赦すと自分を見失ってしまう。 哀しみや憎しみから出発する愛もある。ひとつの愛のかたちとして受け止めました。
2019年5月24日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 国内小説 【本の感想】森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』 連作短編の形式で、恋する男子大学生と恋される女子大学生を中心に、いくつかの出来事や登場人物たちのかかわりがが発散し、ラストに気持ちよく収斂していきます。京都ってファンタジーの似合う街と思ってしまいました。
2019年5月14日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 国内小説 【本の感想】藤田宜永『愛の領分』 30年の時を経て不倫していた男女が再会し、複雑な人間模様が浮かび上がるという作品。長らく恋愛から遠ざかっている男の熾火に激しく共感します。中心人物らは50を越していますから、大人極まった人のための恋愛小説ですね。
2019年5月5日 / 最終更新日 : 2022年4月2日 レペ 国内小説 【本の感想】原田マハ『カフーを待ちわびて』 沖縄の小さな島に住む青年が主人公のラブストーリー。 カフー(幸福)を待ちわびてばかりじゃダメなんだ。本作品のタイトルの意味をそのように受け止めました。油断大敵、人前で読んではいけない作品でしたね。
2019年4月15日 / 最終更新日 : 2020年9月1日 レペ 国内小説 【本の感想】乙一『暗いところで待ち合わせ』 視力を失った女性と、その家に逃げ込んだ殺人事件の容疑者が演じる無言劇です。孤独な二人が同じ空間を共有しながら、心を通わせていく様が感動を呼びます。意外な真実で幕を閉じますが、とても晴れやかな気分になるでしょう。白乙一派には感涙ものの逸品です。