【本の感想】森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』

本の感想 森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』

2007年 山本周五郎賞受賞作。

森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』は、おっさんが触れてはいけない系の作品と思っていました。だって、モリミーは、女子に大人気なんですもの。同年代の本好きなおっさんは、うへへと唸ります。なんでしょう。こっそり読んでいることに、後ろめたさを感じるのでしょうか。

確かに、女子と「モリミーのオモシロ系ってさぁ」なんて会話は想像がつきません。

しかし、本好きたるもの食わず嫌いはいけませんね。克服してこそ華でございます。

結論から言ってしまうと、本作品、幼い頃の子供らとクレヨンしんちゃんの映画を観たおしている自分としては、赤面することなく”オモチロイ”恋愛ファンタジーと公言することができます(この”オモチロイ”は口に出すと恥ずかしいんですがね)。どこがオモチロイのか?オモチロイことを言語化できないオモチロさがあるんですね。脳内で映像が花咲くというか。

本作品は、連作短編の形式で、恋する男子大学生”先輩”と恋される女子大学生を中心に恋が走り出したら♪系で、因果は巡るよ糸車、いくつかの出来事や登場人物たちが発散するがごとく次々にかかわりをもち、ラストに気持ちよく収斂していきます。あそこのこんなシーンがここにつながって、という伏線を回収していく快感を味わえるのです。その分、恋愛小説としての味わいは薄口ではあるんですが。

くわえて、スピード感が良いですね。クレヨンしんちゃんでいうところの野原一家が爆走しているイメージです。

キャラがたっている登場人物が入り乱れるのですが、なかでも”先輩”が恋する、鯉を背負って達磨の首輪飾りをした女子が秀逸。イノセントキャラが、とってもキュートです。和風な女神様ですね。

現実を保ちながらちょっと異質な世界が入り混じる。誠に勝手ながら京都って、こんな事が起こりそうなファンタジーの似合う街ですよね。おそらく・・・

と、無事、 森見登美彦作品を克服しました。早く読めばよかった。

2017年公開アニメ化作品 『夜は短し歩けよ乙女』

本作品が原作の、2017年公開アニメ化作品 『夜は短し歩けよ乙女』 はこちら。

映画「夜は短し歩けよ乙女」
琴音らんまる画 漫画化『作品夜は短し歩けよ乙女』

本作品が原作の琴音らんまる画 漫画『夜は短し歩けよ乙女』はこちら。表紙だけでも何か違うような気が・・・