【本の感想】原田マハ『カフーを待ちわびて』

本の感想 原田マハ『カフーを待ちわびて』

2006年 日本ラブストーリー大賞受賞作。

原田マハのデビュー作『カフーを待ちわびて』は、沖縄の小さな島に住む純朴な青年 明青(あきお)が主人公のラブストーリーです。 明青 の元に突然、嫁になりたいという女性 幸(さち)が現れるところから物語は始まります。

明青は 、旅先の神社で戯れに絵馬へ「嫁に来ないか」と書いていたのです。明青の願いが神に通じたのか、幸との微笑ましい暮らしがスタートします。

自然に恵まれた沖縄の島でのんびり雑貨店を営む明青 。突然、現れた美しい女性 幸。慈しみ合うような長閑な二人の暮らし。怪しい・・・怪しすぎる・・・。人ならぬものの恩返しの話か・・・それとも、ファンタジー・・・。あまりにも都合の良い出会い、そして、女性の正体が一向に分からないがゆえに、最初から波乱の予感は消えません。

島の観光資源化をめぐる住民たちの対立が沸騰し、断固として反対を表明する明青が孤立を深めていく中、さてさて、二人はどうなってしまうのか・・・

本作品は魑魅魍魎のお話でも、ファンタジーでもありません。ピュアな男女のどストレートの恋愛模様が、ベタベタの展開で描かれた作品です。下世話なラブラブなシーンがないという、俄かには信じられない二人の関係性。明青が、イノセントとも言えるほど真っ直ぐだからこそ、読み進めながらワクワク、ドキドキを感じてしまいます。

幸の過去が明らかにつれ、想定通り、二人に波乱が巻き起こります。そして、ついに幸は ・・・。果たして、明青にカフー(幸福)は、訪れるのか。どちらかというと受け身な明青の決断に、拍手喝采です。幸福は、待ちわびているだけではダメなのです。本作品のタイトル『カフーを待ちわびて』の意味をそのように受け止めました。何気なく手に取ったのですが、油断大敵、人前で読んではいけない作品でした。ラストは、ポーっとなりまして・・・。

明青へ(そして幸へ)、それとなく人生の指針を与える巫女のおばあが良い味だしています。

有羽なぎさ絵 漫画『カフーを待ちわびて』

本作品が原作の、有羽なぎさ絵 漫画『カフーを待ちわびて』はこちら。

2009年公開 玉山鉄二主演『カフーを待ちわびて』

本作品が原作の、2009年公開 玉山鉄二、マイコ 出演 映画『カフーを待ちわびて』はこちら。

映画「カフーを待ちわびて」
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