2019年11月30日 / 最終更新日 : 2020年9月15日 レペ 海外小説 【本の感想】アル・サラントニオ 編『999(ナイン・ナイン・ナイン)』 ホラーの第三黄金時代を築くという壮大な目的をもった全3巻のアンソロジーです。怖くないのはモダンホラーの名残でしょうか。後に『ボトムズ』として長編化されたジョー・R・ランズデール『狂犬の夏』だけは必読です。
2019年11月28日 / 最終更新日 : 2020年9月15日 レペ 海外小説 【本の感想】ダン・シモンズ『エデンの炎』 火山活動が活発化したハワイ島で、突然現れた異形のものたちが人々を襲っていくといく伝奇ホラーです。マーク・トウェインの冒険譚と時を超えて交差するスリリングで凝ったつくりになっています。
2019年11月23日 / 最終更新日 : 2020年9月15日 レペ 国内小説 【本の感想】乙一『天帝妖狐』 せつない系に属するホラーです。狼男の孤高さに、フランケンシュタインの悲哀を加え、和風テイストに仕上げたような作品となっています。場所や年代は特定されないけれど、懐かしさを伴なった昭和の匂いがします。
2019年11月22日 / 最終更新日 : 2020年8月13日 レペ 海外小説 【本の感想】仁賀克雄 編『新・幻想と怪奇』 仁賀克雄 編・翻訳『新・幻想と怪奇』は、ハヤカワNV文庫『幻想と怪奇』全三巻の続篇にあたります。 ハヤカワNV文庫『幻想と怪奇』は、クラシックなホラーアンソロジーだったのですが、スプラッタホラーに凝っていた当時の自分にと […]
2019年11月14日 / 最終更新日 : 2020年8月17日 レペ 国内小説 【本の感想】乙一『暗黒童話』 グロテスクで幻想的な雰囲気とミステリー作品のような展開という、著者の独特の世界観が堪能できます。殺人者に生かされ続けている人々のおどろおどろしい奇怪さは、まさに黒乙一です
2019年8月13日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 海外小説 【本の感想】ダン・シモンズ『夜の子供たち』 ドラキュラ伝説に科学的解釈を試みたSFチックな仕上がりのホラーです。相次ぐ絶対絶命のピンチに不撓不屈の主人公が立ち向かう姿は感涙もの。挿入されるモノローグが串刺し候の伝記の体裁になっていて興味をそそります。
2019年7月4日 / 最終更新日 : 2021年12月1日 レペ 海外小説 【本の感想】シャーリイ・ジャクスン『丘の屋敷』 幽霊屋敷に集ったものたちに迫り来る怪異という典型的なゴーストストーリーです。派手な演出で読者を震え上がらせる類のものではなく、油断しているとフイと視界を横切るものがいる といった得体の知れない不気味さです。
2019年6月26日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 国内小説 【本の感想】飴村行『粘膜人間』 暴力嗜好の小学生と河童たちの血まみれの闘いという、超現実離れしたストーリーです。戦時中のどこかの村という設定が、セピア色の印象を与えます。バケモノと不可能な約束をして望みを叶えてもらおうとするあたり、本作品のベースは典型的なお伽話なのです。
2019年6月17日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 海外小説 【本の感想】ダン・シモンズ『ザ・テラー 極北の恐怖』 19世紀中頃、英国の北西航路発見を目指した探検隊の全滅史です。実際の総員125名遭難事故が題材ですが、探検行はシモンズの創作。文庫1000頁を越す大著であり、読むのに骨が折れるものの、冒険小説+伝奇ホラーとして満足度が高い作品です。
2019年5月12日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 国内小説 【本の感想】泉鏡花『春昼・春昼後刻』 収録されている二作品「春昼」と「春昼後刻」は、続きものの中篇です。タイトルから穏やかでゆるゆるした物語を想像してしまいますがそうではありません。鏡花が大好きなお化けや妖怪は登場しないけれど、夢物語のごとき艶やかな不気味さが作品を包み込んでいます。