2019年6月2日 / 最終更新日 : 2020年8月19日 レペ 国内小説 【本の感想】奥田英朗『ガール』 新入社員の頃、隣の席の三十代 先輩女性社員はおそれおおかったなぁ。 自分のトレーナーゆえに、挨拶の仕方から、電話の取り方まで、まさにご指導ご鞭撻の日々を送っていた上に、仕事上での実力差も圧倒的で、全く頭が上がりませんでし […]
2019年5月28日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 国内小説 【本の感想】多和田葉子『犬婿入り』 尻を舐める癖をもつ男に翻弄される女性家庭教師の日々。ひたすら長ったらしい饒舌文章を読むと、何故か笑えてきてツボにハマりました。物語は突拍子もない結末を迎えるのですが、ざっくりと言うと変なお話し。好みです。
2019年5月20日 / 最終更新日 : 2020年10月1日 レペ 国内小説 【本の感想】伊藤たかみ『八月の路上に捨てる』 どこにでもある日常の些細なさざ波を、ほのぼのとした語り口で描いた作品集。どの作品も心温まる話というわけではないのですが、文体が清々しくて読んでいて気持ちが良くなります。昭和のホームドラマのようです。
2019年5月16日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 国内小説 【本の感想】渡辺淳一『光と影』 運命の悪戯で全く別の人生を歩むこととなった二人の男。本作品には男のジェラシーが丹念に描かれていますが、ここは後の大恋愛小説家としての萌芽が見られますね。著者の医師としての視線を巧みに取り入れた密度の濃い作品です。
2019年5月13日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 国内小説 【本の感想】吉村萬壱『ハリガネムシ』 悪い意味ではなく、とても厭な小説です。厭な気分にさせるのは、理性で押さえつけている暗い剥き出しの欲望に共鳴してしまうからなのかもしれません。読み切るのに嫌悪に耐えうる精神力を要しますが、残酷なまでに人間の本質を抉り出す著者の筆力に感嘆してしまいます。
2019年4月20日 / 最終更新日 : 2020年9月28日 レペ 国内小説 【本の感想】本多孝好『MOMENT』 はからずも伝説の人となった大学生 神田の活躍を描く、全4話からなる連作短編集です。サイドストーリを含めて、様々なシーンに祈りが満ち溢れています。目からも鼻からも溜まりにたまった水分が押し出され、これは外で読んではいけないのだと気付かされました。
2019年4月19日 / 最終更新日 : 2020年8月18日 レペ 国内小説 【本の感想】大江健三郎『性的人間』 読後感がすこぶる悪い作品です。著者が、セクシュアリティをテーマとしている時代の作品ということですが、主人公が内省的で閉塞感が強く、読んでいて凹んできます。ただ、これは内容が好きか嫌いかの次元の話であって、作品に力があることには相違ありません。
2019年3月25日 / 最終更新日 : 2020年9月23日 レペ 国内小説 【本の感想】川上弘美『蛇を踏む』 著者の言によると「うそばなし」だそうです。騙してやろうの「うそ」でなくて、そういうことがあってもいいんじゃないかという「うそ」なのです。「本当」の中に「うそ」を持ち込んで、その「うそ」を「本当」の遊び場にしてしまうテーマパーク的な感覚があります。