2019年8月9日 / 最終更新日 : 2020年9月28日 レペ 国内小説 【本の感想】本多孝好『WILL』 『MOMENT』の続編で、高校生の頃、両親を亡くし家業の葬儀屋を継いだ女性 森野が主役の連作短編集です。 泣けると聞いていて、途中までさっぱりだったのですが、やっぱり、最後の最後にやられてしまいました。
2019年7月31日 / 最終更新日 : 2020年8月11日 レペ 国内小説 【本の感想】石川達三『蒼氓(そうぼう)』 国策としてブラジル移民が奨励されていた1930年が時代背景です。苦難の航海を経て、移民たちが新天地で見出したものは何か。決して明るい未来が約束されてはいません。しかし、その中で人生を見出していく術はあるのです。
2019年7月30日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】阿部和重『無情の世界』 初期作品の中でも分かり易い短編集です。他の作品のように、明確なテーマを見出すことはできません。収録されている三作品に通底しているものを見付けるとするなら、鬱屈した暴力衝動の発露となるでしょうか(無理やりの解釈だけれども)。
2019年7月29日 / 最終更新日 : 2020年10月1日 レペ 国内小説 【本の感想】乙一『きみにしか聞こえない―CALLING YOU』 『Calling You』、『傷-KIZ/KIDS』、『華』 三作品が収録されています。愁いのある美麗なカラーイラストが、作品の胸をうつ読後感にとてもピッタリ。人恋しくなってしまうような一抹の寂しさが漂っています。
2019年7月17日 / 最終更新日 : 2021年1月6日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『影踏み』 ”ノビ師”といわれる侵入盗が主役の連作短編集です。人間の本質を抉っていく横山節は、追われるものを主役に据えているためか、切迫感を伴なった重苦しさと切なさが漂います。
2019年7月5日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 国内小説 【本の感想】上田早夕里『魚舟・獣舟』 女流SF作家を甘く見た偏狭さに衝撃を与えるSF短編集です。ややハードっぽい設定も素敵ですが、ストーリーのミステリアスな展開が、一気読みさせる力を持っています。なにより、セリフ回しと、テンポが抜群に心地良いですね。
2019年7月1日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 国内小説 【本の感想】山本文緒『プラナリア』 明るくも、楽しくも、元気良くもない女性が主役です。一言で表すと鬱陶しい。明日への一歩手前で、うじうじと硬直している状態です。好き嫌いは別として、読者を鬱陶しくさせるのは、著者の筆力の高さなのでしょう。
2019年6月30日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】村上春樹『中国行きスロウ・ボート』 『 中国行きスロウ・ボート 』は 村上春樹 の初短編小説です。寂しさを感じさせる乾いた文章、平易だけれど巧みな表現方法、どこか異国を思わせる空気感、懐かしさを伴った幻想的な風景 ・・・ 巷に溢れる村上春樹論に、目を通さず感じたままを述べるとこうなるでしょうか。
2019年6月13日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】川上未映子『乳と卵』 夏の数日が饒舌文体にて軽快に描かれた作品。日常の些細な一コマ一コマに、主人公の脳内を言葉が駆け巡ります。読み進めると、主人公の人となりが、会話の捉え方、ものの見方に察せられます。実に愉快です。
2019年6月6日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 海外小説 【本の感想】ダフネ・デュ・モーリア『人形』 14編からなる短編集です。全編ともに明るい未来をすかっと裏切ってしまうバットエンディング(サッドエンディングか)で、デュ・モーリアっぽいのですが、20歳そこそこから暗澹たる作品を書きつられている、その人となりに興味を覚えてしまいます。