2019年7月11日 / 最終更新日 : 2020年9月10日 レペ 国内小説 【本の感想】乙一『死にぞこないの青』 先生という絶対的な権力者が、一人の引っ込み思案の少年を逃げ道のない孤独に叩き込んでいくところから、物語は始まります。果たして少年はどう対処していくでしょうか。読了後も暫く気持ちがざわめく、劇薬入りビルドゥングスロマンです。
2019年7月7日 / 最終更新日 : 2022年4月2日 レペ 国内小説 【本の感想】長嶋有『ジャージの二人』 ネガティブさをまったり感に転換する心地良さがあります。ぐだぐだゆるゆるな親子二人を象徴するのが小学校から貰い受けたジャージ。サイズLLのダサぽんジャージは、まったりユニホームなのです。
2019年7月4日 / 最終更新日 : 2021年12月1日 レペ 海外小説 【本の感想】シャーリイ・ジャクスン『丘の屋敷』 幽霊屋敷に集ったものたちに迫り来る怪異という典型的なゴーストストーリーです。派手な演出で読者を震え上がらせる類のものではなく、油断しているとフイと視界を横切るものがいる といった得体の知れない不気味さです。
2019年6月28日 / 最終更新日 : 2021年1月13日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『64 (ロクヨン)』 いくつも張り巡らされた伏線が、ラスト、一気に回収されていく爽快感を味わえる上質のミステリ・・・なわけですが、しかし、本作品は質量(?)が違います。こんな顛末でした、だけじゃ終わらない重量感があるのです。
2019年6月19日 / 最終更新日 : 2020年9月23日 レペ 国内小説 【本の感想】金原ひとみ『蛇にピアス』 身体改造に魅せられた女性の物語です。ピアスは鎧の表象のようなので内面に踏み込むものを恐れているのでしょう。他者との関係を絶っていかなければ、自身が壊されてしまう。そういう生き方しかできない不器用さを感じました。
2019年6月15日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】吉田修一『さよなら渓谷』 過去の悲惨な出来事から抜け出せない男女。赦されたいけれどそれは別れを意味する。赦したいけれど赦すと自分を見失ってしまう。 哀しみや憎しみから出発する愛もある。ひとつの愛のかたちとして受け止めました。
2019年6月10日 / 最終更新日 : 2020年8月18日 レペ 国内小説 【本の感想】首藤瓜於『脳男』 学習によって感情を理解するという脳男。この主人公のキャラクター設定の妙こそが、本作品の見所でしょう。人が人たる所以は何であるか。著者の精神医療に関する造詣の深さがストーリーに厚味を与え、哲学的な感慨を深めてくれます。
2019年6月8日 / 最終更新日 : 2020年9月15日 レペ 国内小説 【本の感想】佐藤友哉『デンデラ』 捨てられた老婆たちの物語です。登場人物は、皆、なんと平均年齢80歳強の老婆です。姥捨て山で生き残った彼女たちが、凍てつく雪景色の中で、闘いを繰り広げていきます。「戦闘老婆」の生き様を見よ!ラノベ感覚と、老婆たちのアクティヴさに魅了されます。
2019年6月7日 / 最終更新日 : 2020年12月29日 レペ 国内小説 【本の感想】平山夢明『DINER (ダイナー)』 殺し屋専用のダイナーで繰り広げられる奇妙奇天烈な物語です。美麗な料理と過激な暴力が渾然一体となり悪党どもの宴が催されます。異形異才の殺し屋たちのキレっぷりが楽しいですね。まるでマカロニウエスタンのような緊張感がたまりません。
2019年6月4日 / 最終更新日 : 2021年2月15日 レペ 海外小説 【本の感想】ネヴィル・シュート『渚にて 人類最後の日』 世界の終末の情景を描いた作品です。本のみならず、映画でも度々扱われるテーマですから、最期の日は人々を惹きつけるのでしょう。本作品では、儚くも美しい人間の尊厳を感じることができるでしょう。