2020年9月26日 / 最終更新日 : 2020年11月25日 レペ 国内小説 【本の感想】常磐新平『遠いアメリカ』 モラトリアム男の日々を描いた作品です。大学院を中退して、なお親の脛を齧り続ける翻訳家志望が主役。1950年代が舞台ですが、いつの時代もこういう情けない中途半端は輩はいたのです。時代の雰囲気だけは、興味を惹かれました。
2020年9月25日 / 最終更新日 : 2020年9月23日 レペ 国内小説 【本の感想】小山田浩子『穴』 日常に入り混じる些細な不可思議を描いた作品です。マジック・リアリズム的(?)、方向(?)でしょうか。本作品は、日常と非日常が緩やかなに融合しており、主人公と一緒に夢か現かの感覚を楽しむべきです。
2020年9月24日 / 最終更新日 : 2020年11月19日 レペ 国内小説 【本の感想】舞城王太郎『ビッチマグネット』 ジャンルを一言で表すなら家族小説です。マイジョーにしては至って普通の物語。フツー過ぎて却って戸惑ってしまいました。父親が愛人と出奔した家庭の、姉弟の関係を中心にストーリーが展開します。
2020年9月20日 / 最終更新日 : 2020年9月29日 レペ 国内小説 【本の感想】佐藤愛子『戦いすんで日が暮れて』 強い女性としょうもないヘナチョコ男性が織りなす短編集です。著者の経験に基づくようですが、濡れ落ち葉な旦那の姿が悲哀を誘います。ある意味バランスが取れていると言えるでしょうか。
2020年9月17日 / 最終更新日 : 2020年12月29日 レペ 国内小説 【本の感想】古川日出男『ルート350』 まさに古川日出男だな、という全8編からなる短編集です。畳み掛けるような語り口、突然始まるウソ話に現実に織り込むストーリー展開が特徴的。読了直後は?ですが、後からジワジアと感情が溢れ出します。ハマれば再読したくなる中毒性があります。
2020年9月15日 / 最終更新日 : 2020年10月28日 レペ 国内小説 【本の感想】古川日出男『ハル、ハル、ハル』 収録三作品は、どれもやり切れない怒りを内包した暗い物語です。しかし、独特な文体が不思議な高揚感をもたらしてくれます。ネガティブなポップさとでも言いましょうか。この違和感こそ本作品集の魅力なのだと思います。
2020年9月14日 / 最終更新日 : 2020年9月11日 レペ 国内小説 【本の感想】佐藤友哉『灰色のダイエットコカコーラ』 北海道の田舎に住む青年の魂の叫びを綴った連作短編集です。主人公は、一廉の者になろうと足掻くものの、何者にもなれない、ただの「肉のカタマリ」19歳。グロテスクで残酷で陰々滅々とした物語です。
2020年9月13日 / 最終更新日 : 2020年10月28日 レペ 国内小説 【本の感想】桂望実『手の中の天秤』 様々な事件の加害者と被害者が、その後の人生においてどう折り合いを付けていくかを描いた作品です。執行猶予中の加害者の罪を被害者家族が確定できるとう法制度が確立している日本。著者は、”赦し”について、読者に問いかけます。
2020年9月12日 / 最終更新日 : 2020年9月10日 レペ 国内小説 【本の感想】つかこうへい『蒲田行進曲』 京都の映画撮影所を舞台にし、役者たちの人情噺が活き活きと描かれた作品です。クライマックスは、命を賭した階段落ちのシーン。あの名ゼリフが待って・・・あれ、いない・・・。そうか、映画は、原作の語られなかったシーンとその後が描かれていたわけね。納得。
2020年9月11日 / 最終更新日 : 2020年10月28日 レペ 国内小説 【本の感想】辻村深月『盲目的な恋と友情』 女子二人に起きた死にまつわる出来事をそれぞれの視点で描いた作品です。「恋」と「友情」というタイトルで章が分かれており、それぞれが、恋愛と友情へ一直線過ぎるがゆえにかえって居たたまれない気持ちにさせられる作品です。