2019年12月8日 / 最終更新日 : 2020年9月7日 レペ 国内小説 【本の感想】綿矢りさ『勝手にふるえてろ』 脳内で二股かける主人公の日々が描かれた作品です。オタク女子が妄想と現実の狭間にあって、突拍子もない行動をとるこじれっぷりが実に愉しい。登場人物たちが、イイ女でも、イイ男でもなさそげな所が哀愁を誘うわけですね。
2019年12月6日 / 最終更新日 : 2020年10月7日 レペ 国内小説 【本の感想】楊逸『時が滲む朝』 天安門の悲劇の頃の中国。貧しい農村地帯からエリートへの道を進むべく大学に進学した青年たちの熱狂、そしてその後が描かれています。大人になるということの現実が、寂しさを伴って心に響いてくる一冊です。
2019年12月4日 / 最終更新日 : 2020年10月1日 レペ 国内小説 【本の感想】伊藤たかみ『アンダー・マイ・サム』 思うに任せない高校生たちの日常を描いた青春小説です。左手の親指が長すぎる主人公。幽体離脱をしたことを契機に、親指を通して人の悲しみを知ることになります。
2019年12月3日 / 最終更新日 : 2021年5月17日 レペ 国内小説 【本の感想】薬丸岳『その鏡は嘘をつく』 元法務技官の刑事 夏目信人が主役の長編ミステリです。著者の作品は、答えの出ないテーマを扱っているものが強いインパクトを残します。本作品は、趣が異なりますが、ひとの心の襞に分け入るような展開は、いつもの薬丸節と言えるでしょう。
2019年12月1日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】薬丸岳『刑事のまなざし』 通り魔に娘を植物状態にされた元法務技官の刑事 夏目信人が主役のミステリ短編集です。収録作品全7編に通底しているのは、決して癒えることのない心の痛み。夏目は、愛のために人を殺し、愛の裏返しで人を殺してしまう人々の心の奥底を炙り出していきます。
2019年11月29日 / 最終更新日 : 2020年9月15日 レペ 国内小説 【本の感想】神林長平『戦闘妖精・雪風(改)』 評判を聞いて、いつか読もうと思いながら、なかなか手に取らない作品があります。第三世代SF作家 神林長平のライフワーク(?)『戦闘妖精・雪風』もそのひとつ。SFマガジンの連作短編を文庫としてまとめたのが1984年の出版だか […]
2019年11月25日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】吉田修一『静かな爆弾』 聴力にハンディキャップのある女性と、テレビ局に勤務する男性が織り成す恋愛小説です。男性をありがちな庇護者として描いておらず、湿度が極めて少ない作品です。なにより、音で隔絶された二人の出会いのシーンが素晴らしいのです。
2019年11月23日 / 最終更新日 : 2020年9月15日 レペ 国内小説 【本の感想】乙一『天帝妖狐』 せつない系に属するホラーです。狼男の孤高さに、フランケンシュタインの悲哀を加え、和風テイストに仕上げたような作品となっています。場所や年代は特定されないけれど、懐かしさを伴なった昭和の匂いがします。
2019年11月21日 / 最終更新日 : 2020年10月1日 レペ 国内小説 【本の感想】伊藤たかみ『指輪をはめたい』 頭を打って誰にプロポーズするか忘れてしまった三股をかける主人公。女性たちに対峙するうちに、自分の本当の気持ちに気付いていきます。ディケンズ「クリスマス・キャロル」を思い出しました。
2019年11月19日 / 最終更新日 : 2022年4月2日 レペ 国内小説 【本の感想】原田マハ『ランウェイ・ビート』 ファッション大好き高校生たちが主役のケータイアオハル小説です。予想を裏切らない如何にもな盛り上がりですが、このサックリしたゆるふわ感がケイタイ小説の真骨頂でしょうか。疾走感は十分ですが、如何せん薄口です。