2019年11月17日 / 最終更新日 : 2020年9月15日 レペ 国内小説 【本の感想】田辺聖子『感傷旅行(センチメンタル・ジャーニィ)』 恋愛体質の妙齢の女性の物語です。半世紀も前の作品で、流石に言い回しやシチュエーションは古色蒼然としていますが、男女関係の根っこの部分や恋愛至上主義の女性の心の動きは、些かも変化していないことが分かります。
2019年11月15日 / 最終更新日 : 2020年11月12日 レペ 国内小説 【本の感想】金城一紀『フライ,ダディ,フライ』 47歳サラリーマン鈴木のひと夏の冒険譚。学歴社会における「生ける屍、落ちこぼれ男子高校生集団ゾンビーズが活躍するシリーズ第2弾です。べタな展開です。ベタすぎてがっちりハートを鷲づかみにされてしまいました。
2019年11月14日 / 最終更新日 : 2020年8月17日 レペ 国内小説 【本の感想】乙一『暗黒童話』 グロテスクで幻想的な雰囲気とミステリー作品のような展開という、著者の独特の世界観が堪能できます。殺人者に生かされ続けている人々のおどろおどろしい奇怪さは、まさに黒乙一です
2019年11月12日 / 最終更新日 : 2020年10月28日 レペ 国内小説 【本の感想】古川日出男『僕たちは歩かない』 物語が枝葉をつけて大きく拡散していくような、言語表現の豊饒さに魅せられる 古川日出男 。『 僕たちは歩かない 』は、結論から言ってしまうと、どうにもしっくりきません。古川日出男作品として、つまらない、と言いたくなります。26時間制の東京に込められたメッセージとは何でしょうか?
2019年11月11日 / 最終更新日 : 2020年9月14日 レペ 国内小説 【本の感想】菅浩江『そばかすのフィギュア』 びっくり仰天のアイディアとか、ハードSFのガジェットが飛び出すわけじゃありませんが、かえってそれが古さを感じさせないのでしょう。SFならではの舞台装置を借りながら、人の内面をじっくりと見つめたバリエーションの広い作品集となっています。
2019年11月10日 / 最終更新日 : 2021年1月7日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『深追い』 三ツ鐘警察署を舞台とした連作短編集です。同じ職場に務める警察官らが近接する住居で暮らし、独特のコミュニティを形成されています。生活空間に縦社会が持ち込まれているのが特徴的です。ここで、息苦しさが漂う人間ドラマが展開されます。
2019年11月4日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】吉田修一『あの空の下で』 ANAの機内誌『翼の王国』に連載されていた12作品と、旅にまつわる6つのエッセイが収められた作品集です。直接的にしろ、間接的にしろ何らかが旅に触れられていて、(旅にそそられはしませんが)まさに旅の空で読む物語の体裁となっています。
2019年11月1日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】阿部和重『アメリカの夜』 映画学校を卒業し、美術催事場のアルバイトをしている「哀しい男」の物語です。著者のデビュー作ですね。ストーリーは、主人公生の内的世界が縷々つづられていくだけです。あらためて本作品を読むと、著者の精神は、その後の作品にも引き継がれているのがわかります。
2019年10月31日 / 最終更新日 : 2021年1月7日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『真相』 お家芸(?)の警察小説ではありません。しかしながら、焦燥感を伴った苦悩という”らしさ”は健在です。むしろ、警察という一般には馴染みのない世界の枠組みをとっぱらったがゆえに、真に迫っているようです。
2019年10月30日 / 最終更新日 : 2020年9月23日 レペ 国内小説 【本の感想】皆川博子『恋紅』 江戸時代が終焉を迎えつつある頃の遊郭を舞台に、楼主のお嬢様と旅役者の恋を描いた作品です。遊郭にうずまく男女の情念や芝居にかける役者の執念の表現は、著者の筆によって、幻想的ともいえる妖しさをともなっています。