2019年12月22日 / 最終更新日 : 2020年10月5日 レペ 国内小説 【本の感想】伊坂幸太郎『グラスホッパー』 亡き妻の復讐に執念を燃やす元教師と、三人の殺し屋が織りなす著者お得意(?)の群像劇。殺し屋たちはそれぞれに魅力的なんですが、物語のキーマン「押し屋」の正体が受入れられるかで本作品の評価が決まってしまいそう。
2019年12月8日 / 最終更新日 : 2020年9月7日 レペ 国内小説 【本の感想】綿矢りさ『勝手にふるえてろ』 脳内で二股かける主人公の日々が描かれた作品です。オタク女子が妄想と現実の狭間にあって、突拍子もない行動をとるこじれっぷりが実に愉しい。登場人物たちが、イイ女でも、イイ男でもなさそげな所が哀愁を誘うわけですね。
2019年11月16日 / 最終更新日 : 2020年9月15日 レペ 海外小説 【本の感想】エルモア・レナード『スティック』 元自動車泥棒スティックが主役の犯罪小説です。本作品は、ムショ仲間の復讐という安っぽい話にならない点が良いのです。引かない、媚びない、省みない。タフでクールな40男の、降りかかった火の粉は払います的な生き様が気に入りました。
2019年10月27日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】吉田修一『パレード』 2LDKのマンションをシェアする男女の群像劇です。冒頭の、先輩の彼女に恋してしまった杉本良介の話は、ゆるゆるの青春小説の趣。涙あり笑いありで最後はホットなドラマを予想しましたが、読み進めると、これはすっかり裏切られることになります。
2019年10月19日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】山本兼一『利休にたずねよ』 美の求道者 千利休の生涯を描いた作品です。本作品は、千利休の切腹前夜 70歳から魚屋の道楽息子だった19歳へ、時を遡るかたちで物語が展開します。冒頭の、利休が殺した女という独白、そして緑釉の香合の謎が、ラストまで読者を引っ張っていくことになります。
2019年10月18日 / 最終更新日 : 2020年11月2日 レペ 国内小説 【本の感想】花村萬月『ゲルマニウムの夜』 殺人を犯し、少年の頃暮らしていた修道院兼教護院に身を隠す青年 朧が主役の連作短編集です。本作品集に通底するのは、欺瞞に対する沸々とした憤懣でしょうか。
2019年10月9日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】吉田修一『太陽は動かない』 機密情報という金鉱を探り当て、高値で売り捌くことを生業とする、トレジャーハンターたちの活躍を描いた作品です。エスピオナージ+冒険小説+ハードボイルド+(ちょっぴりだけ)恋愛小説という贅沢な逸品となっています。
2019年10月7日 / 最終更新日 : 2020年8月26日 レペ 国内小説 【本の感想】森敦『月山 ・ 鳥海山』 ひとりの青年が、月山のふもとのあれ寺に寄寓した一冬の物語。月山は山形県の中央に位置する、出羽三山のひとつで山岳信仰の場です。ここで主人公が何を思うのか、は語られず、この地方の厳かともいうべき風景を、ただただ、つづっていきます。
2019年10月6日 / 最終更新日 : 2021年1月13日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『クライマーズ・ハイ』 日本航空123便墜落事故報道の舞台裏を描いた作品です。元新聞記者の著者だからこそ、報道に対する真摯な熱意が伝わる、臨場感たっぷりの人間ドラマに仕上がっています。主人公の家庭の問題等、縦糸横糸ががっちり絡み合った、胸を打つ重厚な作品です。
2019年10月5日 / 最終更新日 : 2020年8月18日 レペ 国内小説 【本の感想】西加奈子『きいろいゾウ』 田舎に越してきた都会育ちの夫婦の物語です。シアワセいっぱいのムコさんとツマ…のはずなんですが、ムコさんの背中には大きな鳥のタトゥーが彫られており、ツマは生き物の声が聞こえるという特異(?)体質。ゆるゆるの展開かと思いきや暗雲がたち込めるのです。