2019年12月18日 / 最終更新日 : 2020年10月5日 レペ 国内小説 【本の感想】皆川博子『光の廃墟』 1966年のイスラエルを舞台にした殺人ミステリです。登場人物それぞれの愛憎が複雑に絡み合って、事件は成り立っています。ピタゴラスイッチのように物事が動いていくのですが、ヒントはあるもののカラクリが分かるまで謎は解けません。
2019年12月17日 / 最終更新日 : 2020年10月5日 レペ 海外小説 【本の感想】A・J・クィネル『ヴァチカンからの暗殺者』 歴史的事実を取り入れたハラハラドキドキのエスピオナージです。ヴァチカンが送り込んだ暗殺者のターゲットはソ連の書記長。相棒は何と美しい修道女です!恋愛小説としても楽しめます。
2019年12月16日 / 最終更新日 : 2020年10月5日 レペ 国内小説 【本の感想】絲山秋子『沖で待つ』 入社からの同期 男女二人の一風変わった友情物語です。男性の方の”太っちゃん”は、あの世の人。久々に再会した幽霊”太っちゃん”との想い出がほのぼのとつづられます。感傷を口にせず、温かい気持ちにさせる話の運び方が素晴らしいですね。
2019年12月15日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】吉村萬壱『バースト・ゾーン ― 爆裂地区』 異国のテロリストを殲滅せんと、戦闘員となった市井の人々が奏でるSFテイストの群像劇です。登場人物たちは、品性下劣ともいうべき輩。著者独特の筆致で、誰もが持っている根源的ない厭らしさを、ど直球で突きつけてきます。
2019年12月14日 / 最終更新日 : 2020年10月23日 レペ ノンフィクション 【本の感想】遠藤秀紀『人体 失敗の進化史』 動物の遺体解剖を通して、ヒトの身体の歴史をひも解くものです。身体の「設計図」という考え方を用いて、進化の過程を説明していきます。進化史の類が苦手な読者にもとっつ易い内容です。
2019年12月13日 / 最終更新日 : 2020年9月29日 レペ 国内小説 【本の感想】辺見庸『自動起床装置』 通信社の宿直者を時間通りに起床させる「起こし屋」と眠りにまつわる物語です。読み進めていくと、「起こし屋」の語る、眠り哲学というべきものに魅了されてしまいます。とくに、眠りの芯に神様が宿るという考え方は印象的です。
2019年12月12日 / 最終更新日 : 2021年1月7日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『動機』 D県警シリーズの第二短編集です。鬱屈し切羽詰まった心理状態の人々が織り成す物語は、決して読後感が良いわけではありません。けれど、彼らの人生それからを思うと、感慨は一入です。全四編に通底するテーマは、自分自身を見つめ直すということでしょう。
2019年12月11日 / 最終更新日 : 2020年9月29日 レペ 海外小説 【本の感想】ピーター・ストラウブ『扉のない家』 スーパーナチュラルを全面に押し出さず、人間の心理を丹念に描写することで恐怖を煽っているのが特徴的です。じっくりと長い物語の過程を楽しむことができるかが、好き嫌いの分かれ目でしょう。
2019年12月10日 / 最終更新日 : 2020年9月15日 レペ ノンフィクション 【本の感想】三崎律日『奇書の世界史 歴史を動かす“ヤバい書物”の物語 』 著者曰く、奇書を通して昔と今の「価値観の差分」を探る事に挑戦するものだそうです。研究者による狭く深い専門書籍より、広く俯瞰して見る事のできる本書の方が、手軽な分だけ間口が広く興味をそそられる方が多いのではないでしょうか。
2019年12月9日 / 最終更新日 : 2020年8月13日 レペ 海外小説 【本の感想】スティーヴン・ジョーンズ 編『フランケンシュタイン伝説-海外ホラーSF短編集』 フランケンシュタインがテーマのホラーSFアンソロジーです。”モンスターとして生まれた苦悩”みたいなステレオタイプな作品はなく、読んでいて飽きはこないでしょう。