2019年12月8日 / 最終更新日 : 2020年9月7日 レペ 国内小説 【本の感想】綿矢りさ『勝手にふるえてろ』 脳内で二股かける主人公の日々が描かれた作品です。オタク女子が妄想と現実の狭間にあって、突拍子もない行動をとるこじれっぷりが実に愉しい。登場人物たちが、イイ女でも、イイ男でもなさそげな所が哀愁を誘うわけですね。
2019年12月7日 / 最終更新日 : 2020年10月7日 レペ 海外小説 【本の感想】ピーター・ストラウブ『ゴースト・ストーリー』 文学志向の強いホラー作品です。しっとり、じわじわな恐怖譚を思い描くとハズレるかもしれません。現実と幻想が入り混じったような恐怖を煽り立てるシーンは絶妙なのですが。
2019年12月6日 / 最終更新日 : 2020年10月7日 レペ 国内小説 【本の感想】楊逸『時が滲む朝』 天安門の悲劇の頃の中国。貧しい農村地帯からエリートへの道を進むべく大学に進学した青年たちの熱狂、そしてその後が描かれています。大人になるということの現実が、寂しさを伴って心に響いてくる一冊です。
2019年12月5日 / 最終更新日 : 2020年12月25日 レペ 海外小説 【本の感想】ジョナサン・キャロル『我らが影の声』 名作『死者の書』につづく第二長編です。ダークファンタジーの要素がなくても、小説としてなかなかよくできた作品です。読み進めていくと、突然、日常が不協和音を奏ではじめます。現実そのものが崩壊してしまうような薄気味悪さがありますね。
2019年12月4日 / 最終更新日 : 2020年10月1日 レペ 国内小説 【本の感想】伊藤たかみ『アンダー・マイ・サム』 思うに任せない高校生たちの日常を描いた青春小説です。左手の親指が長すぎる主人公。幽体離脱をしたことを契機に、親指を通して人の悲しみを知ることになります。
2019年12月3日 / 最終更新日 : 2021年5月17日 レペ 国内小説 【本の感想】薬丸岳『その鏡は嘘をつく』 元法務技官の刑事 夏目信人が主役の長編ミステリです。著者の作品は、答えの出ないテーマを扱っているものが強いインパクトを残します。本作品は、趣が異なりますが、ひとの心の襞に分け入るような展開は、いつもの薬丸節と言えるでしょう。
2019年12月2日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 海外小説 【本の感想】トニイ・ヒラーマン『死者の舞踏場』 ナヴァホ族警察警部補が主役のシリーズ第二弾です。ミステリとはいえ、ネイティブ・アメリカンについて知識が乏しいと、味わいはいまひとつでしょうか。シリーズを読み進めながら理解を深めていくタイプの作品なのだと思います。
2019年12月1日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】薬丸岳『刑事のまなざし』 通り魔に娘を植物状態にされた元法務技官の刑事 夏目信人が主役のミステリ短編集です。収録作品全7編に通底しているのは、決して癒えることのない心の痛み。夏目は、愛のために人を殺し、愛の裏返しで人を殺してしまう人々の心の奥底を炙り出していきます。
2019年11月30日 / 最終更新日 : 2020年9月15日 レペ 海外小説 【本の感想】アル・サラントニオ 編『999(ナイン・ナイン・ナイン)』 ホラーの第三黄金時代を築くという壮大な目的をもった全3巻のアンソロジーです。怖くないのはモダンホラーの名残でしょうか。後に『ボトムズ』として長編化されたジョー・R・ランズデール『狂犬の夏』だけは必読です。
2019年11月29日 / 最終更新日 : 2020年9月15日 レペ 国内小説 【本の感想】神林長平『戦闘妖精・雪風(改)』 評判を聞いて、いつか読もうと思いながら、なかなか手に取らない作品があります。第三世代SF作家 神林長平のライフワーク(?)『戦闘妖精・雪風』もそのひとつ。SFマガジンの連作短編を文庫としてまとめたのが1984年の出版だか […]