2020年1月7日 / 最終更新日 : 2020年10月5日 レペ ビジネス・自己啓発 【本の感想】高根正昭『創造の方法学』 日本の模倣的な態度を排し、創造の力を重視する西洋の伝統を取り入れるべきだという主張から論理構築の方法論を展開します。頭の中をすっきりさせてくれる明快な論述に感銘を受けました。精読に値する本だと思います。
2020年1月6日 / 最終更新日 : 2020年10月7日 レペ 国内小説 【本の感想】冲方丁『光圀伝』 水戸光國の生涯を描いた作品です。武断政治から文治政治へのターニング・ポイントを背景に、光圀がどのように人間的な成長を遂げていったかに着目しています。青春小説であり、成長小説であり、儒教思想に触れることができる教養小説です。
2020年1月5日 / 最終更新日 : 2020年10月20日 レペ 国内小説 【本の感想】恒川光太郎『夜市』 ホラー小説という冠で敬遠してしまうのは残念です。ホラーというより、ファンタジーの方がしっくりします。ダーク・ファンタジーと言うべきでしょうか。お伽話のように、どこかで聞いたことのあるような懐かしさを覚える物語です。
2020年1月4日 / 最終更新日 : 2020年10月7日 レペ 国内小説 【本の感想】土屋隆夫『不安な産声』 人工授精をテーマにした千草検事シリーズです。生殖医療と倫理の問題がストーリーの中核となっていますが、本作品の救いのない結末そのものが著者の警鐘ともとれますね。叙情的なミステリが好みならばオススメできます。
2020年1月3日 / 最終更新日 : 2020年10月7日 レペ 海外小説 【本の感想】ジョン・ヴァーリイ『へびつかい座ホットライン』 著者の未来史<<八世界>>が舞台です。クローン技術が発達した未来世界では、死とは、遺伝子が全て抹消されること。一個の肉体の死に意味はありません。生と性への執着が失われた世界に薄気味悪さを感じます。
2020年1月2日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】吉田修一『初恋温泉』 実在する温泉宿で繰り広げられる、5組のカップルの物語です。湯煙の中に人生の機微が透けて見えるような作品集となっています。ホンワカあり、ほろ苦ありで、身体の芯までじわーんとなるのが、”吉田”温泉の効能なのです。
2020年1月1日 / 最終更新日 : 2020年9月14日 レペ 国内小説 【本の感想】ねじめ正一『高円寺純情商店街』 昭和の商店街の風景をそのまま写し取ったような連作短編集です。詩人の著者ならではで、言葉の選び方にとても気を配っているようです。人物や情景が、暖かな目線で生き生きと描かれており、読者の心に染み入ります。
2019年12月31日 / 最終更新日 : 2020年10月12日 レペ 国内小説 【本の感想】連城三紀彦『どこまでも殺されて』 同じ人物が7度殺されているという、奇妙奇天烈な設定です。ネタばらしまで読者が真相を知ることは難しいので、探偵役の活躍を追うしかないというじれったさはあります。じれてじれて、結局自分は、う~ん、そうきたかぁ・・・と多少脱力したのでした。
2019年12月30日 / 最終更新日 : 2022年4月2日 レペ 国内小説 【本の感想】長嶋有『パラレル』 妻に浮気をされ離婚を余儀なくされた主人公、元妻、主人公の親友、親友と仲良しのキャバ嬢らのゆるゆるの交流が描かれています。深刻さを胸にしまい込み、折り合いをつけていく様は、あるべきおっさんライフとでも言いましょうか。
2019年12月29日 / 最終更新日 : 2021年1月7日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『看守眼』 ノンシリーズの短編集です。D県警もF県警も登場しませんが、警察や役所の中のあまり表には現れない人々を主役に据えています。じんわりと胸に迫るほろ苦い後味が、著者ならではです。暗い物語ですが、魅せられますね。