2020年1月27日 / 最終更新日 : 2020年9月10日 レペ 国内小説 【本の感想】津村巧『DOOMSDAY-審判の日-』 米国の地方都市に突然降り立った二体の異星人がひたすら住民たちを殺戮するというお話です。次々に斃れていく人々には、悲惨さも感じなければ、破滅的な可笑しさも伝わりません。そもそも異星人の目的が想像がつくのですよね。
2020年1月26日 / 最終更新日 : 2020年9月10日 レペ 国内小説 【本の感想】乾くるみ『Jの神話』 女子高で起きた死亡事件が人類創世まで遡るという大風呂敷を広げます。全寮制女子高にステレオタイプの妄想をぶちこんだ感があり、不快な気分にさせらるでしょう。発想は面白いのですが、気色悪さを引きずります。Jの神話とは言い得て妙ですね。
2020年1月25日 / 最終更新日 : 2020年9月10日 レペ 国内小説 【本の感想】蘇部健一『六枚のとんかつ』 ふん!「バカミス」と投げ出してしまうような作品ではありません。確かに、連作短編のうちのいくつかは、「なんじゃこれ?」と項垂れてしまうのですが、本格ミステリの芳醇な香りを味わえる作品もあります(言い過ぎか)。
2020年1月24日 / 最終更新日 : 2020年9月24日 レペ 海外小説 【本の感想】ジェイ・マキナニー『ランサム』 『ブライト・ライツ、ビッグ・シティ』で一世を風靡した著者の長編第2作にあたります。都会的でスカした雰囲気を期待すると外してしまいます。只今迷走中!な人物を主役に据えているのは同じですが、おしゃれテイストの全くない、暗く鬱屈した作品なのです。
2020年1月23日 / 最終更新日 : 2020年11月2日 レペ 国内小説 【本の感想】鮎川哲也『黒い白鳥』 タイトルのブラックスワンが誰も予想しなかった事象を表すとおり不可能犯罪ミステリです。壁にぶち当たりながら試行錯誤を繰り返し、乗り越えていく粘り強さが、鬼貫警部の真骨頂。アリバイ崩しの冴えが光る極上の本格ものです。
2020年1月22日 / 最終更新日 : 2020年12月8日 レペ 国内小説 【本の感想】綿矢りさ『憤死』 タイトル作を含む四作品が収録された短編集です。著者初の短編集なんですね(?)。本作品集は、世にも奇妙な物語的なホラー風味のもので、結論から言うと、期待を外されてしまいました(タイトル作だけは、愉しいのですよ)。
2020年1月21日 / 最終更新日 : 2020年11月2日 レペ 海外小説 【本の感想】ケン・グリムウッド『ディープ・ブルー』 ファンタジーよりのSF作品です。イルカが高度な知性を持っており、イメージを交信の手段として、独特の文化を形成しているという設定。ありがちなのだけれど、太古の昔から存在する知識の共有体と、それに順応する海洋哺乳類といった世界観は新鮮です。
2020年1月20日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】吉田修一『春、バーニーズで』 デビュー作「最後の息子」の登場人物でゲイと同性していた男が主役の連作短編集です。10年後の彼は全うな人生を歩んでいますが、平凡な日々の中で違う人生が影を落とします。モラトリアム男の心の揺れが物悲しさを誘います。
2020年1月19日 / 最終更新日 : 2020年11月19日 レペ 海外小説 【本の感想】ジョン・ディクスン・カー『絞首台の謎』 予審判事アンリ・バンコランが主役のミステリ シリーズ第2作目です。バンコランは、死者が運転する車、存在しない街の絞首台、そして17世紀の実在の首切役人ジャック・ケッチから届いた脅迫状、といった数々の謎を解くことができるでしょうか。
2020年1月18日 / 最終更新日 : 2020年8月17日 レペ 国内小説 【本の感想】乙一『夏と花火と私の死体』 子供の死を扱った物語は苦手ですが、 乙一 の本デビュー作は読んでいてそれほど嫌な思いをしません。死んでしまった「私」が語り手になっているからか現実感が希薄なのです。まるで隠れんぼをしている子が、オニの様子を窺っているようです。