2020年2月6日 / 最終更新日 : 2020年11月19日 レペ 国内小説 【本の感想】島田荘司『切り裂きジャック・百年の孤独』 タイトル通り切り裂きジャックをモチーフにしたミステリです。現在に発生した連続殺人事件と、1888年の切り裂きジャック事件を一気に解決してしまうという奇想天外さ。探偵役はクリーン・ミステリ!です。
2020年2月5日 / 最終更新日 : 2020年12月8日 レペ 海外小説 【本の感想】ジョナサン・キャロル『空に浮かぶ子供』 『月の骨』、『炎の眠り』に続く、ファンタジー<<月の骨>>シリーズの第3弾です。”知ってはいけない人間と宇宙の隅っこ”。謎は謎として興味深くはあるのですが、その解は観念的過すぎて面白さより小難しさが際立ってしまいました。
2020年2月4日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】藤沢周『オレンジ・アンド・タール』 自分って何?という青春小説の定番テーマ扱った作品です。収録されている「オレンジ・アンド・タール」、「シルバー・ビーンズ」の二作品の関係は箱庭の中にある箱庭のよう。綺麗ごとだけで終わっていないところを評価したいと思います。
2020年2月3日 / 最終更新日 : 2020年9月11日 レペ 海外小説 【本の感想】ブルース・スターリング『塵クジラの海』 水のない惑星を舞台にした冒険ファンタジーです。サイバーパンクの旗手のデビュー作がファンタジーとは驚きですが、習作というところでしょうか。ムーブメントの勃興前夜という時間軸でみると、感慨深いですね。
2020年2月2日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】阿部和重『ABC戦争』 深読みさえも拒絶してしまうような作品です。こんなの書きましたが、何か?と開き直っているような。書いていることは分かる。何を訴えているのかがよく分からない。物事はそんな見方もあるんですよと囁かれているようです。
2020年2月1日 / 最終更新日 : 2022年4月2日 レペ 国内小説 【本の感想】原田マハ『あなたは、誰かの大切な人』 三十代後半から五十代までの、シングルの女性が主役の短編集です。一人きりの人生では、伴侶であれ、親子であれ、友人であれ、自分が誰かの大切な人であると思えるそのことが、心の拠り所なのです。
2020年1月31日 / 最終更新日 : 2021年1月13日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『出口のない海』 ふとした心の揺れから特攻隊に志願してしまった青年の生涯を描いています、戦争青春小説の王道スタイルですが、何のために命を擲つのかという問に逡巡し、やっと出した主人公の結論が、本作品に輝きを放っているようです。
2020年1月30日 / 最終更新日 : 2020年9月29日 レペ 海外小説 【本の感想】クリスチアナ・ブランド『領主館の花嫁たち』 英国らしい幽霊譚の体裁を取りながら人の奥底に潜む憎しみの発露を描いています。幽霊譚としては恐ろしくはありませんが、見返りを求める愛があっけなく憎しみに陥る人間の性(さが)に寒々とするでしょう。
2020年1月29日 / 最終更新日 : 2020年9月11日 レペ 国内小説 【本の感想】生垣真太郎『フレームアウト』 ミスリードさせる仕掛けが巧妙に埋め込こまれたミステリです。ありがちなサイコスリラーを逆手に取って読者を迷路に誘い込んでしまいます。1979年のニューヨークを舞台とした、騙し絵的な作品というところでしょう。
2020年1月28日 / 最終更新日 : 2020年11月2日 レペ 国内小説 【本の感想】沼田まほかる『猫鳴り』 著者の猫愛には、突き放したような距離感があります。そこに包み込むような暖かさを伺い知ることができるのは、著者の筆力ゆえでしょう。猫を見つめる著者の視線からは、絶望をも織り込んだ人の生き様に対する賛美を感じます。