2019年10月9日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】吉田修一『太陽は動かない』 機密情報という金鉱を探り当て、高値で売り捌くことを生業とする、トレジャーハンターたちの活躍を描いた作品です。エスピオナージ+冒険小説+ハードボイルド+(ちょっぴりだけ)恋愛小説という贅沢な逸品となっています。
2019年10月8日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ ノンフィクション 【本の感想】松閣オルタ『オカルト・クロニクル』 世の奇々怪々な事件を取り上げ、(参考資料を見てわかるとおり)膨大な資料を参照しつつ、ハテナ?に迫ろうとするものです。その筋の団体から激しく物言いがつきそうな部分もズバリと記載しており、このギリギリの姿勢は評価したいですね。
2019年10月7日 / 最終更新日 : 2020年8月26日 レペ 国内小説 【本の感想】森敦『月山 ・ 鳥海山』 ひとりの青年が、月山のふもとのあれ寺に寄寓した一冬の物語。月山は山形県の中央に位置する、出羽三山のひとつで山岳信仰の場です。ここで主人公が何を思うのか、は語られず、この地方の厳かともいうべき風景を、ただただ、つづっていきます。
2019年10月6日 / 最終更新日 : 2021年1月13日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『クライマーズ・ハイ』 日本航空123便墜落事故報道の舞台裏を描いた作品です。元新聞記者の著者だからこそ、報道に対する真摯な熱意が伝わる、臨場感たっぷりの人間ドラマに仕上がっています。主人公の家庭の問題等、縦糸横糸ががっちり絡み合った、胸を打つ重厚な作品です。
2019年10月5日 / 最終更新日 : 2020年8月18日 レペ 国内小説 【本の感想】西加奈子『きいろいゾウ』 田舎に越してきた都会育ちの夫婦の物語です。シアワセいっぱいのムコさんとツマ…のはずなんですが、ムコさんの背中には大きな鳥のタトゥーが彫られており、ツマは生き物の声が聞こえるという特異(?)体質。ゆるゆるの展開かと思いきや暗雲がたち込めるのです。
2019年10月4日 / 最終更新日 : 2020年8月26日 レペ 国内小説 【本の感想】海月ルイ『子盗り(ことり)』 京都の旧家に嫁いだ子宝に恵まれない女性を軸に展開する心理サスペンスです。登場する三人の女性の、それぞれの母性が怨念のようにうずまき、痛々しくも悲しい物語を形成していきます。心がささくれだつ様がじりじりと伝わります。
2019年10月3日 / 最終更新日 : 2020年10月13日 レペ 海外小説 【本の感想】ケン・フォレット『針の眼』 独英の諜報合戦を描いた冒険小説です。冷酷無比な独スパイと彼を追う英MI5の頭脳戦が、一般市民のとある夫婦を巻き込んで展開されます。史実を絡めて、道ならぬロマンスあり、緊迫感をはらんだアクションありと読み応えたっぷりです。
2019年10月2日 / 最終更新日 : 2020年10月28日 レペ 国内小説 【本の感想】辻村深月『オーダーメイド殺人クラブ』 わゆる少年Aものです。本作品が特徴的なのは、望んで被害者たろうとするものが、少年Aを作り上げていくというプロットです。本作品は、タイトルで損してように思います。成長小説として読むべきでしょう。
2019年10月1日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】原田マハ『ジヴェルニーの食卓』 芸術家たちの人生のひとときを切り取った短編集です。登場するのはアンリ・マティス、エドガー・ドガ、ポール・セザンヌ、クロード・モネ。現存する絵画から物語を構築するあたり、著者のキュレーターとしての知見が遺憾なく発揮された作品集となっています。
2019年9月30日 / 最終更新日 : 2020年11月19日 レペ 国内小説 【本の感想】舞城王太郎『阿修羅ガール』 女子高生アイコの迷走する脳内活動が爆裂するがごとくに拡がりを見せる作品です。自分の狭い世界観の中で試行(思考)錯誤しなんとなく結論じみたことを見いだしていく。この年頃の、そういう多感さが表現された作品です。