【本の感想】ジョー・ゴアズ『赤いキャデラック』

ジョー・ゴアズ『赤いキャデラック』

ジョー・ゴアズ(Joe Gores)『赤いキャデラック』(Final Notice)(1973年)は、ダン・カーニー・アソシエイツ(DKA)シリーズの第二弾です。

バラッドが偶然見かけて回収した赤いキャデラック。その持ち主はチャンドラという名の老女でした。ローン未払いの銀行から回収要請の出ていたキャデラックでしたが、抗議に来たチャンドラの予告通り回収は取り下げられます。

程なくしてDKAへ脅迫電話が掛かり、探偵エドが暴漢に襲われ重傷を負うという事件が発生します。暴漢は、どうやらカーニー所長と間違えてエドを襲撃したらしいのです。カーニーは、赤いキャデラックと、エド襲撃の因果関係を探る決意をします・・・

カーニー、バラッドを始めDKAの探偵たちが、一つの手掛かりから事件の謎を徐々に紐解いていきます。第一弾の死の蒸発も同様ですが、関連する人物が多岐に渡り、虚々実々の駆け引きを演じるため、一読では分かり難い作品です。(リンクをクリックいただけると感想のページに移動します

債権回収を専門とする探偵事務所と言うと、一見活躍する場が狭いように思えますが、殺人事件が発生したりとスリリングな展開を見せるのがこのシリーズの特徴。事件の鍵を握っているチャンドラが殺害されるに至って、カーニーの下した決断は・・・と、クライマックスを迎えます。

著者の作品は、どんでん返しや謎解きの楽しみですが、本作品ではアリバイ崩しが盛り込まれています。才媛の探偵ジゼルの悲恋がエピソードとして挿入されており、シリーズキャラクターの造形に力が入っているようです。決着は、実にハードボイルドらしい思いますが、どうでしょうか。

(*)読了したのは角川文庫の翻訳版赤いキャデラックで、書影は原著のものを載せています。

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