本書のアピールポイントにあるとおり、4つのレイアウトパターンがサンプルをもとに学べます。Webデザインで躓いた時に参照するには十分な 教科書 です。
【Webサイト制作】香西睦『だから、そのデザインはダメなんだ。』
Webサイト制作の参考書として手に取った香西睦『だから、そのデザインはダメなんだ。』は、副題の「WebサイトのUI設計・情報デザイン 良い・悪いが比べてわかる」の通り、テーマ毎にページの見開きでBadデザイン、Goodデザインを比較し、改善方法を解説する書籍です。
Chapter1「レイアウト・インタフェース」は、ユーザ視点でのレイアウトやユーザインタフェースの組み立て方がテーマです。いわゆる品質特性でいうところの使用性で、視認性、視線移動、使いやすさについて、ローテーションバナー、グローバルナビ、リンク等のあり方が述べられています。実際の企業のWebサイトを参照し、パッと見でもGoodデザインが優れているのは分かります。デザインを幾つか比較した後、ポイントをまとめて解説しながら進んでいくので、内容を理解した上で前にページを繰りながら振り返ることになります(自分だけか・・・)。これが、使い勝手の面で、些か面倒です。
解説そのものについては、他の同様の書籍から見て目新しさはありません。なので、読者の頭にきっちりと叩き込むことができるか、または折々に参照し易いかが参考書としての有用性の決め手です。その点では、読み物に近いのかもしれませんね。
Chapter2「コンテンツ編集・設計」は、コンテンツ編集、デザイン制作、コーディング、SEO施策等、チームでの制作を基本としたコンテンツの編集および設計がテーマです。表現方法、構成方法が、Webの特性を踏まえて述べられています。ご覧いただいているWebサイトはWordPressで制作しているので、本書で指摘しているユーザインタフェースの改善は難しいのですが、Chapter2はユーザインタフェースのテクニカルな部分とはそれほど関係がなく、参考にすることができました。ただ、残念ながら、「チーム制作として」が冒頭で述べられているほどにはメッセージとして伝わりません。
Chapter3「ユーザビリティ」は、いわゆるユニバーサルデザインがテーマです。Chapter1を深堀し画面の遷移、レスポンシブ対応、画像・図表のデザイン、FAQ、検索機能、登録・入力フォーム等のあり方が述べられています。ユーザ視点という意味で、こちらの章で例示されている解説は納得性が高いですね。
Chapter4「サイト設計・マーケティング戦略」は、ビジネス戦略面からのWebサイト設計がテーマです。本書のおまけ、の位置づけでしょうか。「ビジネスゴールを見定めた戦略と高い成果を実現できるサイト設計が求められています」の明快な解を受け留めることができませんでした。重要なテーマですが、本書のコンセプトに収まる範囲内でしょうから、割いているページも多くはないのです。
先に述べたとおり、本WebサイトはWordPressで制作しているので、Goodデザインを全て取り入れることは、易々とはできません(能力がないだけか・・・)。Webサイト制作に時間が取れるようになったら、少しずつ改善をしていこうと思います。ただ、デザインの考え方には日々変化がありますから、本書の内容もいずれ陳腐化してしまうのかもしれませんね。
- その他のWebサイト制作に役立つ書籍(参考書・教科書、ワードプレス、デザイン)については関連記事をご覧下さい。