【本の感想】奥田英朗『ララピポ』

本の感想 奥田英朗『ララピポ』

いつからか鏡が嫌いになりました。顔にシミ増えたなぁとか、なんだこの首のシワとか、鼻毛に白髪がっ!とか、良いことがありません。年とるってや~ね。

奥田英朗は、”しょうもないヤツ”を描くのが上手いなぁと思います。

本作品『ララピポ』も、しょうもないヤツらが、わんさか登場します。しかも、コイツら、ぐつぐつと沸騰する性欲を、これでもかと見せつけてきます。屈折した苛立がブレンドされいて、異臭を嗅いだようなめまいを覚えてしまうのです。

しかし、このしょうもなさは、明らかに自分の中にも存在します。鏡に映った自分の不都合な部分のようです。どうにも居心地が悪い。へらへらと読み進めながら、不覚にも共感などして黄昏てしまうわけです。

a lot of people=ララピポ。

たくさんのひとびと。みんなのなかのだれか。みんなのなかのにあるもの。

本作品は、6人の”しょうもない”登場人物が奏でるエロ満載の”しょうもない”狂躁曲です。

次々に主役がバトンタッチしていくという、リレー形式(?)の群像劇。前の話のちょい役が、次の話の主役になってつながるのがミソですね。

とても良い子にはお見せできない類の作品で、あらすじも書けやしません。でも、「お好きですね~」と聞かれれば、「いや~それほどでもぉ~」と答えはしますか。読了してみれば、ちょっとだけ愛すべき”しょうもなさ”を感じることができます。

最終話の主人公 小百合の思いが本作品を象徴しているようです。

みんな、どんな人生を送っているのだろう。しあわせなのだろうか。
 考えるだけ無駄か。小百合は鼻息を漏らした。泣いても笑っても、どの道人生は続いていくのだ。明日も、あさっても。

うん、うん。あれやこれやで達観しちゃったのね。

ちなみに、

自分の左頬のシミは、ハート型をしていて、これは小さい頃の娘には好評でした。このハートのメラニンちゃんだけは、ちょくちょく鏡で確認したりします。これまた、しょうもない ・・・

本作品が原作の、2009年公開 成宮寛貴主演 映画『ララピポ』はこちら。

映画「ララピポ」
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