【本の感想】齋藤孝『雑談力が上がる話し方』

齋藤孝『雑談力が上がる話し方』

とにもかくにも人脈形成!という志の高い方を除けば、大多数の学生さん達は、気の合う奴らと連んでいれば良いので、意図して会話を組み立てるなんてことはしないと思います。

そんな選択と集中の日々を過ごす輩も、社会人になり、年数が経てば経つ程、初対面の方とお話をする機会は増えるでしょう。取引先などの仕事に関係する方なら、会話に接点が見付かります。でも、立食パーティーのような催しだと、さぁ、大変。 話しかけるも、 話かけられるも、自身のコミュニケーション力が試されます。

自分は、そもそも人見知りのチキンなので、壁の花になりがち(いや、壁のぬれ落ち葉か)。ひたすら時が経つのを願うばかり、というシーンが度々です。会話の糸口が見付かれば、チキンからいつもの(?)愉快なおっさんへと移行できるのに・・・

齋藤孝『雑談力が上がる話し方』は、「雑談ができれば、なんでもできる、ダーっ!」という自己啓発本です。斎藤センセイは、

雑談力は、あらゆる場面であなたを助ける最強のスキル

と仰います。そうでしょう。日々、実感していますとも。センセイのお姿をテレビで拝見するにつけ、雑談力の高さに感服しております(「全力脱力タイムズ」最高!)

でも、そもそも雑談って何?

雑談はむりにまとめようとしなくていい

雑談は、サクっと切り上げるもの

その結論に対して異論、反論をと唱えたら、そこからは雑談ではなくて議論になってしまいます。

成程、すべらない話や議論とは異なることは納得です。

雑談のベストバランスは、相手8対自分2

このパワーバランスは難しいですね。相手に如何にお話して頂くか、が重要です。こちらの2に対して8頂戴しなければいけないわけですから。引き際のタイミングが、難しかったりもするでしょう。忖度とか慮る、なんて高度な感性が必要なのかもしれません。

雑談で人間関係のガス抜きをするのです。

ビジネスにおいて、“ニュートラル雑談力”は最強の武器なのです。

雑談は一期一会、いや一点一会のようなものです。

だんだん、雑談からイメージするユルさとは縁遠くなってきました。

センセイは、雑談は無理にまとめようとしなくていいと述べていますが、オチを作りたくなるのは、緊張感に堪えられない小心者のサガです。「何でもいいから、相手をほめよ」との切り口のアドバイスは、それを想像して思わず赤面してしまいました。だいいち、自分が誉めキャラじゃないと、相手に不快感を与えかねません。

センセイのいう、雑談力とは、話し方そのものではなく、話の作りあげ方なのです。本書を読んで、さぁ雑談仕掛けるぞ!となるかというと、 …うむむ … ハテナ?

雑談が上手な人は拝借したネタの伝言が上手

積極的にパクるところから始めますか。そのうち、自分のスタイルが確立していくのだろうと思います(と信じたい)。