【本の感想】小熊一樹『人物デッサンテクニック: 良質な作例から学ぶ、人のかたち・奥行き・存在感の表現』
初老という歳になると、何故、人は突然、絵を描きたくなるのでしょうか。体を動かさなくて良い?、お金があまりかからない?いやいや、人間的に円熟味を増すと、芸術的な感性が研ぎ澄まされてくるのだ…と信じたい。
手に取った小熊一樹『人物デッサンテクニック: 良質な作例から学ぶ、人のかたち・奥行き・存在感の表現』は、あたりをつける等、デッサンを始めるにあったっての基本的な知識から、上達するためのテクニックまでが記載されています。理論的かつ大変にお上手なお手本なわけで、眺めているだけで自分にもできるような錯覚に陥ってしまいます。しかし、当然のことながら、そんなに都合良くはありません。
本書は、頭で考えるより、実践して上手くいかない点を反省する、を繰り返すにはとても良い参考書です。工程別に時間配分が記載されているので、上達が時間として測れるようになっています。
結局は、練習あるのみです。
著者は、若き日の作品を、惜しげもなく(?)載せていています。練習するとひょっとして、と淡い期待感を持てるでしょう。・・・とはいえ、人生のタイムリミットが迫っている自分は、20代とは異なることに気付くわけです。
そんなこんなで、本書を読んでから描いてみた絵がこちら。ジミヘンだけど… …似ていない。