2020年1月31日 / 最終更新日 : 2021年1月13日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『出口のない海』 ふとした心の揺れから特攻隊に志願してしまった青年の生涯を描いています、戦争青春小説の王道スタイルですが、何のために命を擲つのかという問に逡巡し、やっと出した主人公の結論が、本作品に輝きを放っているようです。
2020年1月24日 / 最終更新日 : 2020年9月24日 レペ 海外小説 【本の感想】ジェイ・マキナニー『ランサム』 『ブライト・ライツ、ビッグ・シティ』で一世を風靡した著者の長編第2作にあたります。都会的でスカした雰囲気を期待すると外してしまいます。只今迷走中!な人物を主役に据えているのは同じですが、おしゃれテイストの全くない、暗く鬱屈した作品なのです。
2020年1月6日 / 最終更新日 : 2020年10月7日 レペ 国内小説 【本の感想】冲方丁『光圀伝』 水戸光國の生涯を描いた作品です。武断政治から文治政治へのターニング・ポイントを背景に、光圀がどのように人間的な成長を遂げていったかに着目しています。青春小説であり、成長小説であり、儒教思想に触れることができる教養小説です。
2019年12月4日 / 最終更新日 : 2020年10月1日 レペ 国内小説 【本の感想】伊藤たかみ『アンダー・マイ・サム』 思うに任せない高校生たちの日常を描いた青春小説です。左手の親指が長すぎる主人公。幽体離脱をしたことを契機に、親指を通して人の悲しみを知ることになります。
2019年11月19日 / 最終更新日 : 2022年4月2日 レペ 国内小説 【本の感想】原田マハ『ランウェイ・ビート』 ファッション大好き高校生たちが主役のケータイアオハル小説です。予想を裏切らない如何にもな盛り上がりですが、このサックリしたゆるふわ感がケイタイ小説の真骨頂でしょうか。疾走感は十分ですが、如何せん薄口です。
2019年11月15日 / 最終更新日 : 2020年11月12日 レペ 国内小説 【本の感想】金城一紀『フライ,ダディ,フライ』 47歳サラリーマン鈴木のひと夏の冒険譚。学歴社会における「生ける屍、落ちこぼれ男子高校生集団ゾンビーズが活躍するシリーズ第2弾です。べタな展開です。ベタすぎてがっちりハートを鷲づかみにされてしまいました。
2019年10月2日 / 最終更新日 : 2020年10月28日 レペ 国内小説 【本の感想】辻村深月『オーダーメイド殺人クラブ』 わゆる少年Aものです。本作品が特徴的なのは、望んで被害者たろうとするものが、少年Aを作り上げていくというプロットです。本作品は、タイトルで損してように思います。成長小説として読むべきでしょう。
2019年9月30日 / 最終更新日 : 2020年11月19日 レペ 国内小説 【本の感想】舞城王太郎『阿修羅ガール』 女子高生アイコの迷走する脳内活動が爆裂するがごとくに拡がりを見せる作品です。自分の狭い世界観の中で試行(思考)錯誤しなんとなく結論じみたことを見いだしていく。この年頃の、そういう多感さが表現された作品です。
2019年8月30日 / 最終更新日 : 2020年8月19日 レペ 国内小説 【本の感想】恩田陸『ネバーランド』 男子高校生4人のひと冬、7日間の物語です。親との縁が薄い彼らの集う男子寮「松籟館」がネバーランド。自分をさらけ出し、分かち合い、分かり合える場所です。大人の境界すらまだまだ先である彼らは何を得るのでしょうか。
2019年8月27日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】金城一紀『レヴォリューション No.3』 ゾンビと揶揄されるオチコボレ男子高校生たち=ザ・ゾンビーズの活躍を描く連作短編集です。とんがった登場人物たちが繰り広げる、一本芯の通った彼らなりの正義、清々しい恋愛模様など見所満載です。