2020年2月15日 / 最終更新日 : 2020年12月14日 レペ 海外小説 【本の感想】フィリップ・K・ディック『ヴァリス』 狂気へ誘われた男が、秘密教義を著していく過程を描いています。神学、哲学、心理学、歴史学が、渾然となって捻り出された教義は、難解この上ありません。ディックの精神世界と博覧強記ぶりに圧倒される作品です。
2020年2月9日 / 最終更新日 : 2020年12月23日 レペ 海外小説 【本の感想】ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『星ぼしの荒野から』 ファース・トコンタクト、スペース・オペラ、幻想、終末ものとバリエーションが多く、いずれもシニカルで苦い後味を感じるSF短編集。ネビュラ賞受賞作「ラセンウジバエ解決法」は必読です!
2020年1月27日 / 最終更新日 : 2020年9月10日 レペ 国内小説 【本の感想】津村巧『DOOMSDAY-審判の日-』 米国の地方都市に突然降り立った二体の異星人がひたすら住民たちを殺戮するというお話です。次々に斃れていく人々には、悲惨さも感じなければ、破滅的な可笑しさも伝わりません。そもそも異星人の目的が想像がつくのですよね。
2020年1月21日 / 最終更新日 : 2020年11月2日 レペ 海外小説 【本の感想】ケン・グリムウッド『ディープ・ブルー』 ファンタジーよりのSF作品です。イルカが高度な知性を持っており、イメージを交信の手段として、独特の文化を形成しているという設定。ありがちなのだけれど、太古の昔から存在する知識の共有体と、それに順応する海洋哺乳類といった世界観は新鮮です。
2020年1月9日 / 最終更新日 : 2020年10月20日 レペ 海外小説 【本の感想】コニー・ウィリス『リメイク』 新作映画を制作しなくなった21世紀のハリウッドが舞台です。映画ツウ度を試される「細かすぎて伝わらない」小ネタがてんこ盛りとなっています。ロマンチックなボーイ・ミーツ・ガール風の近未来SFです。
2020年1月3日 / 最終更新日 : 2020年10月7日 レペ 海外小説 【本の感想】ジョン・ヴァーリイ『へびつかい座ホットライン』 著者の未来史<<八世界>>が舞台です。クローン技術が発達した未来世界では、死とは、遺伝子が全て抹消されること。一個の肉体の死に意味はありません。生と性への執着が失われた世界に薄気味悪さを感じます。
2019年12月27日 / 最終更新日 : 2020年9月2日 レペ 海外小説 【本の感想】フレドリック・ブラウン『発狂した宇宙』 パラレルワールドに宇宙冒険風味を加え、著者ならではのヒネリを効かせた作品です。有人宇宙飛行がまだまだ先の1949年に刊行されたというのだから驚き!パラレルワールド好きには必読の書と言えるでしょう。
2019年12月15日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】吉村萬壱『バースト・ゾーン ― 爆裂地区』 異国のテロリストを殲滅せんと、戦闘員となった市井の人々が奏でるSFテイストの群像劇です。登場人物たちは、品性下劣ともいうべき輩。著者独特の筆致で、誰もが持っている根源的ない厭らしさを、ど直球で突きつけてきます。
2019年12月9日 / 最終更新日 : 2020年8月13日 レペ 海外小説 【本の感想】スティーヴン・ジョーンズ 編『フランケンシュタイン伝説-海外ホラーSF短編集』 フランケンシュタインがテーマのホラーSFアンソロジーです。”モンスターとして生まれた苦悩”みたいなステレオタイプな作品はなく、読んでいて飽きはこないでしょう。
2019年11月29日 / 最終更新日 : 2020年9月15日 レペ 国内小説 【本の感想】神林長平『戦闘妖精・雪風(改)』 評判を聞いて、いつか読もうと思いながら、なかなか手に取らない作品があります。第三世代SF作家 神林長平のライフワーク(?)『戦闘妖精・雪風』もそのひとつ。SFマガジンの連作短編を文庫としてまとめたのが1984年の出版だか […]