2020年2月3日 / 最終更新日 : 2020年9月11日 レペ 海外小説 【本の感想】ブルース・スターリング『塵クジラの海』 水のない惑星を舞台にした冒険ファンタジーです。サイバーパンクの旗手のデビュー作がファンタジーとは驚きですが、習作というところでしょうか。ムーブメントの勃興前夜という時間軸でみると、感慨深いですね。
2020年1月26日 / 最終更新日 : 2020年9月10日 レペ 国内小説 【本の感想】乾くるみ『Jの神話』 女子高で起きた死亡事件が人類創世まで遡るという大風呂敷を広げます。全寮制女子高にステレオタイプの妄想をぶちこんだ感があり、不快な気分にさせらるでしょう。発想は面白いのですが、気色悪さを引きずります。Jの神話とは言い得て妙ですね。
2020年1月18日 / 最終更新日 : 2020年8月17日 レペ 国内小説 【本の感想】乙一『夏と花火と私の死体』 子供の死を扱った物語は苦手ですが、 乙一 の本デビュー作は読んでいてそれほど嫌な思いをしません。死んでしまった「私」が語り手になっているからか現実感が希薄なのです。まるで隠れんぼをしている子が、オニの様子を窺っているようです。
2020年1月14日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】吉田修一『最後の息子』 デビュー作を含む短編集です。三篇とも趣きが随分と違いますが、共通するのは、現実に目を背けている人が登場することでしょうか。何気ない日常の風景に、ネガティブなものを投じると、忘れがたい物語に変じるから不思議です。
2019年11月9日 / 最終更新日 : 2020年9月14日 レペ 海外小説 【本の感想】カール・ハイアセン『殺意のシーズン』 以降の作品と趣が違っていて、犯罪小説と言えなくもありません 。著者の作品の殆どはフロリダの環境保護の姿勢が色濃く出ています。デビュー作である本作品は、その姿勢がストレートに伝わってきます。
2019年11月1日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】阿部和重『アメリカの夜』 映画学校を卒業し、美術催事場のアルバイトをしている「哀しい男」の物語です。著者のデビュー作ですね。ストーリーは、主人公生の内的世界が縷々つづられていくだけです。あらためて本作品を読むと、著者の精神は、その後の作品にも引き継がれているのがわかります。
2019年10月11日 / 最終更新日 : 2020年9月15日 レペ 海外小説 【本の感想】マイクル・Z・リューイン『A型の女』 ネオ・ハードボイルド作家の一翼を担うリューインのデビュー作にして、知性派探偵アルバート・サムスンの初登場作です。地味な内容ですが、正義と打算の間で揺れ動く人間味溢れるサムスンの魅力を堪能できます。
2019年9月17日 / 最終更新日 : 2020年8月19日 レペ 海外小説 【本の感想】デイヴィッド・ベニオフ『25時』 麻薬不法所持で7年の判決を受たけた白人青年が、刑務所へ収監される前夜の物語です。父、恋人、親友が集う別れの夜は、裏切りあり、すれ違いあり、友情の再発見ありの濃密な24時間です。
2019年9月3日 / 最終更新日 : 2022年4月2日 レペ 国内小説 【本の感想】吉村萬壱『クチュクチュバーン』 ホラーテイストのSF作品集です。人が人でなくなる過程を描いた3作品が収録されています。救いも笑いもないので、読了したときの気分はよくはありません。でもクセになりそう。好き嫌いを超越したところにある作品集なのでしょうね。
2019年8月26日 / 最終更新日 : 2021年1月13日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『ルパンの消息』 著者のデビュー作です。過剰なほどに伏線が張り巡らされており、クライマックスでは人間模様を含めて全ての仕掛けを解きほぐしてしまいます。ぶっ込み過ぎの感はありなのですが、著者の気合の入れ具合がひしひしと伝わる作品です。