2019年6月10日 / 最終更新日 : 2020年8月18日 レペ 国内小説 【本の感想】首藤瓜於『脳男』 学習によって感情を理解するという脳男。この主人公のキャラクター設定の妙こそが、本作品の見所でしょう。人が人たる所以は何であるか。著者の精神医療に関する造詣の深さがストーリーに厚味を与え、哲学的な感慨を深めてくれます。
2019年6月1日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】貴志祐介『悪の教典』 生徒たちに絶大な人気物の英語教師はサイコパスだった、というお話しです。惨さ極まれりですが、リアルさが欠如してるせいか、抵抗なく読み進められます。生徒たちの反撃に対して、excellent!の感嘆がでると、笑えたりするのです。
2019年5月25日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】高野和明『ジェノサイド』 人類の未来をテーマにした冒険小説です。驚くべきは著者の圧倒的な知識量。疑いを差し挟む余地のないほどのたたみ込みに平伏してしまいました。二つの並行する物語はピンチピンチの連続で、クライマックスではおもわず溜息がもれてしまいます。
2019年5月22日 / 最終更新日 : 2020年12月29日 レペ 国内小説 【本の感想】船戸与一『山猫の夏』 灼熱のブラジルで展開される流血の冒険小説です。ブラジル版ロミオとジュリエットの逃避行から町全体をぶっ壊すほどのスケールのでかい物語へ展開します。山猫の”俺って強ぇ!”的な発言が痛快です。その分ラストの衝撃はでかい!
2019年5月18日 / 最終更新日 : 2021年1月13日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『震度0』 (悪い意味ではなく)イラつく警察小説です。本作品は登場人物たちの嫌らしさが渦巻いていて、物語に入り込むと抜け出せなくります。端的に言うと厭な奴らしかいません。だから、イラつかせるのです。リアルな不快感が、本作品に読み応えを与えています。
2019年5月4日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 海外小説 【本の感想】ジェフリー・ディーヴァー『追撃の森』 殺人犯のハートとルイスに追われ女性保安官ブリンとミッシェルは森の中へ。女たちと男たちの知力、体力総動員の戦いが始まります。優位がすぐさま不利に目まぐるしく変わるどんでん返し。そしてあっと驚く結末!
2019年4月29日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 海外小説 【本の感想】ドナルド・A・スタンウッド『エヴァ・ライカーの記憶』 ジャンルは、冒険謎解きアクション歴史ミステリ(!)。著者は、この作品だけがヒットした一発屋のようですが、これだけ様々な要素がてんこ盛りの力作は、そうそう創りだせないだろうなぁと思います。
2019年4月26日 / 最終更新日 : 2020年8月18日 レペ 海外小説 【本の感想】ジェイムズ・クラムリー『酔いどれの誇り』 神様が公認している職業 酔っぱらい 探偵ミロが活躍するハードボイルドです。主人公のアンチヒーローぶり甚だしいのですが、このダメさ加減が愛すべき探偵の魅力でしょう。酒と血の匂いぷんぷんで、酩酊してしまいそうです。
2019年4月24日 / 最終更新日 : 2020年8月18日 レペ 海外小説 【本の感想】ルース・レンデル『ロウフィールド館の惨劇』 衝撃的な一文から幕を開ける 本作品。典型的な英国支配階級の人々が、ボタンの掛け違いから運命に絡めとられていく様が、じっくり描かれています。冒頭の一文で結末が明らかなのですが、それでもページを繰る手が休むことはありません。
2019年4月13日 / 最終更新日 : 2020年8月18日 レペ 海外小説 【本の感想】ポール・アルテ『第四の扉』 フランス人作家の手による英国本格ミステリです。著者がカーの熱烈フォロワーであることから密室殺人やら降霊術やら、如何にもな設定ですが、不思議と深刻さを感じさせません。翻訳者の手腕もあるのでしょうけれど、本作品には牧歌的とも言える独特の味わいがあります。