2019年10月6日 / 最終更新日 : 2021年1月13日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『クライマーズ・ハイ』 日本航空123便墜落事故報道の舞台裏を描いた作品です。元新聞記者の著者だからこそ、報道に対する真摯な熱意が伝わる、臨場感たっぷりの人間ドラマに仕上がっています。主人公の家庭の問題等、縦糸横糸ががっちり絡み合った、胸を打つ重厚な作品です。
2019年10月3日 / 最終更新日 : 2020年10月13日 レペ 海外小説 【本の感想】ケン・フォレット『針の眼』 独英の諜報合戦を描いた冒険小説です。冷酷無比な独スパイと彼を追う英MI5の頭脳戦が、一般市民のとある夫婦を巻き込んで展開されます。史実を絡めて、道ならぬロマンスあり、緊迫感をはらんだアクションありと読み応えたっぷりです。
2019年9月27日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】雫井脩介『望み』 行方不明となった高校生の息子、殺人事件の加害者か?それとも被害者なのか? 雫井脩介 『 望み 』は、もし我が子であったなら、という問いを突き付けます。いつの間にかすれ違ってしまった親子の、いずれ分かり合えていたはずの思いが、辛くのしかかります。
2019年9月21日 / 最終更新日 : 2020年8月19日 レペ 国内小説 【本の感想】夏樹静子『わが郷愁のマリアンヌ』 英国を舞台にしたエミリー・ブロンテ『嵐が丘』のオマージュ的ミステリです。あらすじだけでお終いまで語ってしまうと”そんな馬鹿な話しがっ!”なのですが、読んでいると不思議と納得してしまいます。
2019年9月20日 / 最終更新日 : 2020年8月19日 レペ 海外小説 【本の感想】A・J・クィネル『血の絆』 海洋冒険小説です。荒唐無稽であっても目をつぶってあげなければなりません。異なる人生を歩んできた人々が邂逅し、目的を一つにするというロマンチックな物語には多少のご都合主義はあっても良いのです。
2019年8月22日 / 最終更新日 : 2020年12月29日 レペ 国内小説 【本の感想】船戸与一『猛き箱舟』 北西アフリカ諸国を舞台として、一級品になるため傭兵に身を投じた男の闘いを描いています。登場人物それぞれの思惑が錯綜する中、熱砂で繰り広げられる緊迫した戦闘は、映画を見ているように臨場感がたっぷりです。
2019年8月21日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】船戸与一『神話の果て』 『山猫の夏』に続く、南米三部作の第2弾です。日本人が主役の冒険小説であることは共通ですが、ストーリー上のつながりはありません。政情不安定なペルーが舞台で、全編の血なまぐささや決着のつけ方からすると、男性読者向けの小説なんでしょうね。
2019年8月19日 / 最終更新日 : 2020年8月18日 レペ 国内小説 【本の感想】逢坂剛『カディスの赤い星』 フランコ政権下のスペインを舞台した冒険小説です。幾度も訪れる怒涛のクライマックスは驚きの連続でしょう。文学賞を多く受賞したのも頷けます。作家として売れるまであたためていた作品とのことですから、まさに魂の一冊です。
2019年7月19日 / 最終更新日 : 2020年9月23日 レペ 海外小説 【本の感想】セオドア・ローザック『フリッカー、あるいは映画の魔』 一人の青年の数奇な運命を描いた単純な物語です。しかし、それに肉付けされる哲学的とも、宗教的ともいえる虚実織り交ぜた巧緻な描写に、翻弄されることしきり。手に取ったなら、最後まで読み通して欲しい逸品です。満足感は大でしょう。
2019年6月28日 / 最終更新日 : 2021年1月13日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『64 (ロクヨン)』 いくつも張り巡らされた伏線が、ラスト、一気に回収されていく爽快感を味わえる上質のミステリ・・・なわけですが、しかし、本作品は質量(?)が違います。こんな顛末でした、だけじゃ終わらない重量感があるのです。