2020年7月21日 / 最終更新日 : 2020年9月25日 レペ 国内小説 【本の感想】葉室麟『蜩ノ記』 無実の罪で腹を切らればならぬ武士と、その周辺の者たちの三年間を描いた時代小説です。本作品の設定から、主人公の死すべき運命が変えられないというのは、想像に難くありません。とすると、全編を通して、漢をどう見せてくれるのか、が注目すべきポイントです。
2020年6月12日 / 最終更新日 : 2020年12月14日 レペ 国内小説 【本の感想】松井今朝子『吉原手引草』 吉原の名高い花魁 葛城の失踪の謎を追うインタビュー形式の時代小説です。16人の弁(インタビュー)は、自分語り、世間話も交えながらで、吉原という非日常に息づく人々の、渦巻く欲望や悲哀、愛憎を浮かび上がらせます。
2019年10月30日 / 最終更新日 : 2020年9月23日 レペ 国内小説 【本の感想】皆川博子『恋紅』 江戸時代が終焉を迎えつつある頃の遊郭を舞台に、楼主のお嬢様と旅役者の恋を描いた作品です。遊郭にうずまく男女の情念や芝居にかける役者の執念の表現は、著者の筆によって、幻想的ともいえる妖しさをともなっています。