2019年6月1日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】貴志祐介『悪の教典』 生徒たちに絶大な人気物の英語教師はサイコパスだった、というお話しです。惨さ極まれりですが、リアルさが欠如してるせいか、抵抗なく読み進められます。生徒たちの反撃に対して、excellent!の感嘆がでると、笑えたりするのです。
2019年5月31日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 国内小説 【本の感想】中島京子『FUTON』 田山花袋『蒲団』をモチーフにした作品です。アンサーソングといった方が良いかもしれません。本家は湿度の高い私小説でしたが、本作品にはカラっとした心地よさを感じます。
2019年5月30日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ ノンフィクション 【本の感想】ナンシー・エトコフ『なぜ美人ばかりが得をするのか』 人の美しいものへの生得的な嗜好を論考したものです。科学的な実験結果だけでなく、古今東西の人類学者、文学者、哲学者、芸術家、芸能人らの美に関する発言を引用し論を進めます。労作ですが、膨大な資料のため読み難くはありますかね。
2019年5月29日 / 最終更新日 : 2020年8月6日 レペ 国内小説 【本の感想】薬丸岳『死命』 余命を賭けて己の望みを全うしようする二人の男の執念の物語です。ひとりは連続殺人犯。そして、もうひとりはこの犯人を追う刑事。現実的かどうかは置いておいて、追うもの、追われるもの、それぞれ長く生きられないという命のタイムリミットの設定に、出だしから惹き込まれます。
2019年5月28日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 国内小説 【本の感想】多和田葉子『犬婿入り』 尻を舐める癖をもつ男に翻弄される女性家庭教師の日々。ひたすら長ったらしい饒舌文章を読むと、何故か笑えてきてツボにハマりました。物語は突拍子もない結末を迎えるのですが、ざっくりと言うと変なお話し。好みです。
2019年5月27日 / 最終更新日 : 2020年9月2日 レペ 海外小説 【本の感想】ジョー・R・ランズデール『アイスマン』 フリークショーの一団に逃げ込んだ強盗犯の物語です。著者は、偏見に晒される人々を描くだけで、それに対する怒りや憤りを直接的に表現してはいません。やるせなさを誘いますが、氷漬けの男=アイスマンの存在そのものを含め全体的に薄っぺらい印象です。
2019年5月26日 / 最終更新日 : 2020年10月28日 レペ 国内小説 【本の感想】桂望実『嫌な女』 縁戚の結婚詐欺師の女に翻弄され続けられた女性弁護士の物語です。二十代から七十代まで、同い年の嫌な女の起こした様々な事件に関わります。不器用で堅物で孤独な主人公。自由奔放な嫌な女との関わりが、年齢とともに主人公の精神的な成長を促していきます。
2019年5月25日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】高野和明『ジェノサイド』 人類の未来をテーマにした冒険小説です。驚くべきは著者の圧倒的な知識量。疑いを差し挟む余地のないほどのたたみ込みに平伏してしまいました。二つの並行する物語はピンチピンチの連続で、クライマックスではおもわず溜息がもれてしまいます。
2019年5月24日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 国内小説 【本の感想】森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』 連作短編の形式で、恋する男子大学生と恋される女子大学生を中心に、いくつかの出来事や登場人物たちのかかわりがが発散し、ラストに気持ちよく収斂していきます。京都ってファンタジーの似合う街と思ってしまいました。
2019年5月23日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ ノンフィクション 【本の感想】春日武彦『ロマンティックな狂気は存在するか』 本書は正常と狂気に境目はあるか、という問題提起から始まります。著者は、狂気のもつ多様性について注意を喚起しますが、語り口に毒を含んでいるので、これをどう感じるかによって評価が変わってしまいそう。