2020年4月26日 / 最終更新日 : 2021年7月5日 レペ 海外小説 【本の感想】カール・ハイアセン『顔を返せ』 珍しくハードボイルド路線の作品です。主役の元州検察局捜査官ミック・ストラナハンのキャラクターによるところが大きいのでしょう。ストイックな立ち振る舞いが、ストーリーにピリリとした緊張感を与えています。
2020年4月25日 / 最終更新日 : 2021年7月5日 レペ 芸術 【本の感想】小林頼子『フェルメール ―謎めいた生涯と全作品』 絵画鑑賞の予習、復習に最適な文庫サイズのフェルメール本です。サイズの大きな画集や研究本と異なり、手軽に取り出せていつでも読めるというコンセプト。著者の文章の上手さに感銘を受けます。
2020年4月24日 / 最終更新日 : 2021年7月5日 レペ 芸術 【本の感想】コンスタンティーノ・ドラッツィオー『カラヴァッジョの秘密』 17世紀以降の西洋画家に絶大な影響を与えたカラヴァッジョの波乱万丈の生涯を紐解くものです。本書の冒頭に掲載した全30枚の絵画写真を参照しつつ、伝記風にカラヴァッジョの偉業とその時々の精神のあり様を描いていきます。
2020年4月23日 / 最終更新日 : 2020年10月13日 レペ 国内小説 【本の感想】中村文則『最後の命』 少年の頃に受けた精神的な傷が癒されぬまま大人になった男たちの物語です。あぁ、トラウマ話ね、と一言では片づけられない、逃げ場のない息苦しさを感じます。ミステリの味付けをしたのも、面白味という点で評価します(ここは意見が分かれそうだけど)。
2020年4月22日 / 最終更新日 : 2020年10月28日 レペ ノンフィクション 【本の感想】ニール・ジョンソン『複雑で単純な世界: 不確実なできごとを複雑系で予測する』 複雑性科学を概説し、複雑性科学がどのような場面で適用がすすんでいるかを提示するものです。科学の知識がなくとも読めるという謳い文句ですが、ゆえに明確さを欠いてしまうといジレンマに陥っているようです。
2020年4月21日 / 最終更新日 : 2020年12月24日 レペ 国内小説 【本の感想】山本文緒『恋愛中毒』 妙齢の女性がはまり込んでしまった恋愛事情を描いた作品です。タイトルからは、次々と男性遍歴を重ねるような印象を受けますが、さにあらず。たった一人の男に、どっぷりと浸かった女性が主人公です。
2020年4月20日 / 最終更新日 : 2021年5月17日 レペ 海外小説 【本の感想】イスマイル・カダレ『夢宮殿』 幻想小説? いえいえ、本作品は、全体主義への批判であるとともに、最貧国として蔑まれ孤立化した故国アルバニアを嘆く、カダレからの近隣諸国への文学によるメッセージだったのでしょう。
2020年4月19日 / 最終更新日 : 2021年7月5日 レペ 海外小説 【本の感想】カール・ハイアセン『トード島の騒動』 ヒトの異常な部分をとんがらせた奇矯な人物がしこたま登場し、乾いた笑いを誘います。環境破壊に対する著者の怒りが際立つ作品ですが、奇人変人を縦横無尽に暴れさせ、笑いの中に深刻さを包んでいるのがハイアセン流でしょうか。
2020年4月18日 / 最終更新日 : 2021年5月17日 レペ 海外小説 【本の感想】ジム・トンプスン『取るに足りない殺人』 トンプスンの比較的初期の作品です。ごくありふれた保険金詐欺のための殺人を描いています。こすっからい登場人物たちの駆け引きが面白いのですが、ノワールとしてはパワー不足を感じてしまうかもしれませんね。
2020年4月17日 / 最終更新日 : 2020年11月19日 レペ 国内小説 【本の感想】島田荘司『火刑都市』 東京という都市の成り立ちを背景にして、そこで暮らす孤独な人々の悲哀が描かれたミステリです。トリックが地味めで、事件そのものも納得性はいまひとつ。けれど、大都会の中で生きていく寂しさに共感を覚えてしまいました