2020年6月15日 / 最終更新日 : 2020年6月11日 レペ ビジネス・自己啓発 【本の感想】川内有緒 『バウルの歌を探しに バングラデシュの喧噪に紛れ込んだ彷徨の記録』 “パウルの歌”とは哲学。教えを巧みに隠しながら、伝承するための手段。数百年も受け継がれる自分探しの旅の歌。なんとロマンチックなことか。著者の情熱は、読者に代わって、知らない世界の扉を開いてくれるでしょう。
2020年6月14日 / 最終更新日 : 2020年6月11日 レペ 国内小説 【本の感想】吉川永青『時限の幻』 会津蘆名氏の執政 金上盛備と奥州の覇者 伊達政宗の虚々実々の攻防を描いています。「交渉力」がキーワードなのですが、盛備がさほど魅力的な人物に見えません。ゆえに主人公の最期の瞬間、感慨にふけることができませんでした。
2020年6月13日 / 最終更新日 : 2020年10月12日 レペ 国内小説 【本の感想】連城三紀彦『暗色コメディ』 夫と逢引をする自分自身を目撃した主婦、妻に幽霊と思われている葬儀屋等、不可思議な体験をした人々の群像劇です。狂気でかたずけられる危うさがありますが、著者の語り口の巧みさに酔いしれ騙し絵の世界で遊ぶのが正解しょう。
2020年6月12日 / 最終更新日 : 2020年12月14日 レペ 国内小説 【本の感想】松井今朝子『吉原手引草』 吉原の名高い花魁 葛城の失踪の謎を追うインタビュー形式の時代小説です。16人の弁(インタビュー)は、自分語り、世間話も交えながらで、吉原という非日常に息づく人々の、渦巻く欲望や悲哀、愛憎を浮かび上がらせます。
2020年6月11日 / 最終更新日 : 2020年7月29日 レペ 国内小説 【本の管理】伊坂幸太郎『ラッシュライフ』 様々な境遇の人々が織りなす群像劇。希望と絶望、信義と裏切り、愛と憎悪がごった煮となって、まさに豊潤な人生を味わえます。登場人物によってストーリーの厚味が違うのと一気呵成の爽快感といかなかったのが残念です。
2020年6月10日 / 最終更新日 : 2020年11月2日 レペ 国内小説 【本の感想】花村萬月『ゴッド・ブレイス物語』 花村萬月のデビュー作です。過激さはまだまだ鳴りを潜めているものの、もどかしいぐらいの愛が漂っています。音楽小説の王道的な展開ですが、個性豊かな男女(と男男!)の恋愛がストーリーを盛り上げてくれます。
2020年6月9日 / 最終更新日 : 2020年8月6日 レペ 国内小説 【本の感想】筒井康隆『男たちのかいた絵』 性的倒錯者であるヤクザたちが主役です。歪んだ性癖を持つ輩たち、グロテスクであり、物悲しくもある暴力の宴を催します。
2020年6月8日 / 最終更新日 : 2020年8月17日 レペ 海外小説 【本の感想】マーティン・ミラー『ミルクから逃げろ!』 80年代 ロンドンを舞台としたポップな青春小説。社会の底辺を彷徨う主人公を中心に、クセのあるキャラクターが物語を盛り上げます。群像劇としていまひとつ。英国の今(当時)を切り取ってるのでしょう。
2020年6月7日 / 最終更新日 : 2020年10月26日 レペ 国内小説 【本の感想】筒井康隆『最後の伝令』 「書きたいものを書いています」的な自由闊達さは相も変わらずなのですが、いくつかのレビューに見られる通り、死が強く意識された作品が多いように思えます。平成元年に著者のお父上や手塚治虫が逝去されており、このことが作品に影響しているのかもしれません。
2020年6月6日 / 最終更新日 : 2020年11月16日 レペ 国内小説 【本の感想】山白朝子『死者のための音楽』 グロテスクさと切なさをあわせもつ怪談集です。殆どの作品が、時代背景がはっきりしないせいか、お伽話のような空気感が漂よっています。死が色濃く描かれていますが、寂しさや儚さの中に清々しさすら感じさせますね。