2020年8月1日 / 最終更新日 : 2020年7月31日 レペ 国内小説 【本の感想】薬丸岳『Aではない君と』 殺人を犯した少年の父親が、苦悩と後悔と迷いの日々を送る姿を描いた作品です。著者の十八番(!)のテーマで、相変わらずのどよ~んと重い作品となっています。自分も息子を持つ父親として、主人公に自身を重ね合わせてしまい、さらにどよ〜んとしてしまいました。
2020年7月31日 / 最終更新日 : 2020年8月11日 レペ 国内小説 【本の感想】丸山正樹『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』 手話通訳士となった元警察事務方が主役のミステリ作品です。本作品を読んで、「ろう者」に対する「聴者」、「コーダ」などの用語の意味や、聴覚にハンディキャップを持っている方々の文化的な側面への理解が、非常に少ないことを認識しました。ミステリとしては、詰め込みすぎの感は否めないものの、混乱することなく読み進められる良書です。
2020年7月28日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】伊坂幸太郎『マリアビートル』 個性的な殺し屋たちが繰り広げる群像劇です。「殺し屋シリーズ」として、『グラスホッパー』から時系列としてつながる作品で、その後の出来事への言及があったり、キャラクターたちが再登場します。新幹線を舞台に、殺し屋たちの組んず解れつする様が描かれます。
2020年7月27日 / 最終更新日 : 2020年11月30日 レペ 国内小説 【本の感想】筒井康隆『エンガッツィオ司令官』 三年三ヶ月におよぶ断筆を解除した直後の作品集です。著者の若い頃の猛毒性のある短編はさすがに見られないのですがニヤリとさせられる危うい感じは健在です。本作で何故断筆に至ったかが著者の言葉で語られています。
2020年7月25日 / 最終更新日 : 2020年10月28日 レペ 国内小説 【本の感想】辻村深月『朝が来る』 養子を貰った夫婦と、その子を中学生で産んだ少女の物語です。養子の母の視点では、不妊治療のあれこれが、その子を産んだ母親の視点では、幼くして妊娠することのあれこれが、side-A、side-Bのように語られます。
2020年7月23日 / 最終更新日 : 2020年10月28日 レペ 国内小説 【本の感想】桂望実『週末は家族』 週末里親として施設の少女を預かる夫婦の、一風変わった家族の物語です。夫婦や親子の常識って、実は息苦しいものだというのが、本作品のテーマ。本作品の一過性の家族は、家族という存在を所有し続けないという意味において、今のサブスク時代に合致しています。
2020年7月22日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】藤沢周『雨月』 ラブホテル従業員が巻き込まれた不思議な物語です。ラストまで、うらぶれたラブホの汚れたシーツのような、じめついた物語を読み進めることになります。結末は、あれ?この手のお話だったの?という予想外のものとなり、それだけに物足りなさが否めません。
2020年7月21日 / 最終更新日 : 2020年9月25日 レペ 国内小説 【本の感想】葉室麟『蜩ノ記』 無実の罪で腹を切らればならぬ武士と、その周辺の者たちの三年間を描いた時代小説です。本作品の設定から、主人公の死すべき運命が変えられないというのは、想像に難くありません。とすると、全編を通して、漢をどう見せてくれるのか、が注目すべきポイントです。
2020年7月19日 / 最終更新日 : 2020年11月19日 レペ 国内小説 【本の感想】東野圭吾『夜明けの街で』 不倫をテーマにしたミステリです。妻帯者の、大きく揺れ動く心模様が主軸となってストーリーは展開します。不倫ものにありがちなエロチックなシーンは殆どなく、この手のお話しが苦手な読者でも、抵抗感は少ないかもしれません。
2020年7月15日 / 最終更新日 : 2020年11月19日 レペ 国内小説 【本の感想】東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』 悩みを抱える人々と、彼らの悩み相談を引き受ける雑貨屋ご主人に起きた、時空を超えるキセキの物語です。いくつかのお話が入り組んでいて、下手をすれば混乱に陥りそうですが、これをすっきりと読ませるのは流石のお手並み。