2019年6月5日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 国内小説 【本の感想】坂東眞砂子『山妣 (やまはは)』 明治末期、東北の旧炭鉱町を舞台に濃密な人間模様が描かれた作品です。雪深い田舎の風物、そこに暮らす人々が、美的かつねちっこく筆致で描かれています。ホラーではありませんが、終盤にかけてハラハラの興奮度はホラーなみです。
2019年6月2日 / 最終更新日 : 2020年8月19日 レペ 国内小説 【本の感想】奥田英朗『ガール』 新入社員の頃、隣の席の三十代 先輩女性社員はおそれおおかったなぁ。 自分のトレーナーゆえに、挨拶の仕方から、電話の取り方まで、まさにご指導ご鞭撻の日々を送っていた上に、仕事上での実力差も圧倒的で、全く頭が上がりませんでし […]
2019年6月1日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】貴志祐介『悪の教典』 生徒たちに絶大な人気物の英語教師はサイコパスだった、というお話しです。惨さ極まれりですが、リアルさが欠如してるせいか、抵抗なく読み進められます。生徒たちの反撃に対して、excellent!の感嘆がでると、笑えたりするのです。
2019年5月31日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 国内小説 【本の感想】中島京子『FUTON』 田山花袋『蒲団』をモチーフにした作品です。アンサーソングといった方が良いかもしれません。本家は湿度の高い私小説でしたが、本作品にはカラっとした心地よさを感じます。
2019年5月29日 / 最終更新日 : 2020年8月6日 レペ 国内小説 【本の感想】薬丸岳『死命』 余命を賭けて己の望みを全うしようする二人の男の執念の物語です。ひとりは連続殺人犯。そして、もうひとりはこの犯人を追う刑事。現実的かどうかは置いておいて、追うもの、追われるもの、それぞれ長く生きられないという命のタイムリミットの設定に、出だしから惹き込まれます。
2019年5月28日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 国内小説 【本の感想】多和田葉子『犬婿入り』 尻を舐める癖をもつ男に翻弄される女性家庭教師の日々。ひたすら長ったらしい饒舌文章を読むと、何故か笑えてきてツボにハマりました。物語は突拍子もない結末を迎えるのですが、ざっくりと言うと変なお話し。好みです。
2019年5月26日 / 最終更新日 : 2020年10月28日 レペ 国内小説 【本の感想】桂望実『嫌な女』 縁戚の結婚詐欺師の女に翻弄され続けられた女性弁護士の物語です。二十代から七十代まで、同い年の嫌な女の起こした様々な事件に関わります。不器用で堅物で孤独な主人公。自由奔放な嫌な女との関わりが、年齢とともに主人公の精神的な成長を促していきます。
2019年5月25日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】高野和明『ジェノサイド』 人類の未来をテーマにした冒険小説です。驚くべきは著者の圧倒的な知識量。疑いを差し挟む余地のないほどのたたみ込みに平伏してしまいました。二つの並行する物語はピンチピンチの連続で、クライマックスではおもわず溜息がもれてしまいます。
2019年5月24日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 国内小説 【本の感想】森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』 連作短編の形式で、恋する男子大学生と恋される女子大学生を中心に、いくつかの出来事や登場人物たちのかかわりがが発散し、ラストに気持ちよく収斂していきます。京都ってファンタジーの似合う街と思ってしまいました。
2019年5月22日 / 最終更新日 : 2020年12月29日 レペ 国内小説 【本の感想】船戸与一『山猫の夏』 灼熱のブラジルで展開される流血の冒険小説です。ブラジル版ロミオとジュリエットの逃避行から町全体をぶっ壊すほどのスケールのでかい物語へ展開します。山猫の”俺って強ぇ!”的な発言が痛快です。その分ラストの衝撃はでかい!