2019年7月12日 / 最終更新日 : 2020年8月7日 レペ 国内小説 【本の感想】村上龍『イン ザ・ミソスープ』 残虐な手口で殺人を繰り返す外国人観光客フランクと、彼を風俗へアテンドする羽目になったケンジの数日を描いています。本作品はサイコパスもの?いえいえ、 グロテスクなだけのサスペンスではないのです。
2019年7月11日 / 最終更新日 : 2020年9月10日 レペ 国内小説 【本の感想】乙一『死にぞこないの青』 先生という絶対的な権力者が、一人の引っ込み思案の少年を逃げ道のない孤独に叩き込んでいくところから、物語は始まります。果たして少年はどう対処していくでしょうか。読了後も暫く気持ちがざわめく、劇薬入りビルドゥングスロマンです。
2019年7月7日 / 最終更新日 : 2022年4月2日 レペ 国内小説 【本の感想】長嶋有『ジャージの二人』 ネガティブさをまったり感に転換する心地良さがあります。ぐだぐだゆるゆるな親子二人を象徴するのが小学校から貰い受けたジャージ。サイズLLのダサぽんジャージは、まったりユニホームなのです。
2019年7月6日 / 最終更新日 : 2021年1月6日 レペ 国内小説 【本の感想】越谷オサム『階段途中のビッグ・ノイズ』 キュートでストレートな王道のロック&青春小説です。メンバー探しから始まって、反発、和解、涙、友情、恋、そしてアクシデント、という分かり易い展開。絶対こうなると先が予想ができます。これが実に心地良いのです。
2019年7月5日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 国内小説 【本の感想】上田早夕里『魚舟・獣舟』 女流SF作家を甘く見た偏狭さに衝撃を与えるSF短編集です。ややハードっぽい設定も素敵ですが、ストーリーのミステリアスな展開が、一気読みさせる力を持っています。なにより、セリフ回しと、テンポが抜群に心地良いですね。
2019年7月2日 / 最終更新日 : 2021年1月6日 レペ 国内小説 【本の感想】伊藤たかみ『ぎぶそん』 大人が読んでも十分に楽しめる青春小説です。むしろ、疲れ気味の社会人への一服の清涼剤となると思います。音楽系ドラマの王道として、ありがちというか、教科書的ではあるのですが、このあるある設定が心地よいですね。
2019年7月1日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 国内小説 【本の感想】山本文緒『プラナリア』 明るくも、楽しくも、元気良くもない女性が主役です。一言で表すと鬱陶しい。明日への一歩手前で、うじうじと硬直している状態です。好き嫌いは別として、読者を鬱陶しくさせるのは、著者の筆力の高さなのでしょう。
2019年6月30日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】村上春樹『中国行きスロウ・ボート』 『 中国行きスロウ・ボート 』は 村上春樹 の初短編小説です。寂しさを感じさせる乾いた文章、平易だけれど巧みな表現方法、どこか異国を思わせる空気感、懐かしさを伴った幻想的な風景 ・・・ 巷に溢れる村上春樹論に、目を通さず感じたままを述べるとこうなるでしょうか。
2019年6月28日 / 最終更新日 : 2021年1月13日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『64 (ロクヨン)』 いくつも張り巡らされた伏線が、ラスト、一気に回収されていく爽快感を味わえる上質のミステリ・・・なわけですが、しかし、本作品は質量(?)が違います。こんな顛末でした、だけじゃ終わらない重量感があるのです。
2019年6月26日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 国内小説 【本の感想】飴村行『粘膜人間』 暴力嗜好の小学生と河童たちの血まみれの闘いという、超現実離れしたストーリーです。戦時中のどこかの村という設定が、セピア色の印象を与えます。バケモノと不可能な約束をして望みを叶えてもらおうとするあたり、本作品のベースは典型的なお伽話なのです。