2020年5月25日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】陳舜臣『孔雀の道』 過去を紐解くうちに意外な真実を見つけてしまうタイプの作品です。スパイ小説の味付けをしながら、恋愛小説の要素もあって、主役二人の男女の機微を楽しめるのが特徴です。ただ、タイトルの意味が判然としませんね。
2020年5月24日 / 最終更新日 : 2020年5月20日 レペ 国内小説 【本の感想】佐野洋『華麗なる醜聞』 スキャンダルを追う新聞記者たちの活躍を描いた作品です。記者たちが取材を通して真実に迫っていくのですが、少し先の想像がついてしまうので驚きの展開とはなりません。今ではちょっと考えられない取材方法ではあるし、よく考えるといろいろ都合の良すぎるところも散見されます。
2020年5月23日 / 最終更新日 : 2020年9月11日 レペ 国内小説 【本の感想】浦賀和宏『記憶の果て』 卒業を間近に控えた高校生が主役で、青春小説の趣ですが、近親相姦というタブーを扱っているゆえに暗いトーンの作品です。いくつかの謎は未解決のまま、ラストを迎えます。メフィスト賞恐るべし。
2020年5月22日 / 最終更新日 : 2020年5月18日 レペ 国内小説 【本の感想】三好徹『風塵地帯』 スカルノ時代のインドネシアを舞台にした謀略小説です。巻き込まれ型のサスペンスが展開されます。活写という言葉が相応しいのですが、著者はこの地に足を踏み入れたことがなかったとのこと。作家の想像力の逞しさが堪能できます。
2020年5月20日 / 最終更新日 : 2020年8月17日 レペ 国内小説 【本の感想】中田永一『くちびるに歌を』 五島列島の中学校で、合唱に専心するお子たちを描いた青春小説です。アンジェラ・アキの楽曲「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」をモチーフにしており、思春期真っ只中の、少年少女の瑞々しさが眩しい作品です。
2020年5月19日 / 最終更新日 : 2020年9月8日 レペ 国内小説 【本の感想】吉田修一『路 (ルウ)』 台湾新幹線プロジェクトに携わった人々と、その周辺を描く群像劇です。物語は、現地台湾で、日本の威信をかけたプロジェクトを完遂せんと奮闘する人々を中心に展開します。プロジェクトの進捗と、それに伴う人々の悲喜こもごも、そして成長の姿が描かれます。
2020年5月17日 / 最終更新日 : 2021年1月4日 レペ 国内小説 【本の感想】山田悠介『スイッチを押すとき』 冒頭から、命の大切さ、生きることの意味を謳い上げるタイプの作品かと想像しました。しかし、これは、全くハズレてしまいます。中学生ぐらいがターゲットの作品でしょうから、生きることの意味について、きっちりと書いて欲しいところです。
2020年5月15日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】皆川博子『骨笛』 収められた8編は、独立した作品として読み進めていると、各短編がつながっていることが分かってきます。ただ、最終話『骨笛』を読み終えても、全体としての絵が浮かび上がってこず、ぼんやりと霧の中を彷徨っているような読後感を味わいます。
2020年5月14日 / 最終更新日 : 2020年10月29日 レペ 国内小説 【本の感想】柳広司『怪談』 小泉八雲の『怪談』のオマージュで、舞台を現代に置き換えたミステリ仕立ての短編集です。夢オチか?・・・そして・・・など、謎解きよりも奇妙な味の方が近いでしょうか。この手の作品は、往々にして、スラスラ読めて、スカッと忘れしまうのです。
2020年5月13日 / 最終更新日 : 2020年11月19日 レペ 国内小説 【本の感想】舞城王太郎『九十九十九』 JDCシリーズのトリビュートでありながら、JDCシリーズの九十九十九とは別人。とは言え、本家本元の清涼院流水が、本作品のあちらこちらでちょっかいを出しているという、実にややこしいメタフィクションとなっています。