2020年6月25日 / 最終更新日 : 2020年6月23日 レペ 国内小説 【本の感想】菊地秀行『魔界都市ブルース (妖花の章)』 魑魅魍魎が跋扈し、暴力による支配がする近未来の新宿を舞台に、秋せつらが悪党どもをねじ伏せていく連作短編集。エログロな描写といい、孤高の主人公の哀愁漂うラストといい、伝奇ものの王道フォーマットです。
2020年6月22日 / 最終更新日 : 2020年8月6日 レペ 国内小説 【本の感想】筒井康隆『家族場面』 1993年~1994年発表の作品が収録された短編集です。収録作は、際立って毒々しくもないし、実験的でもないので、著者の作品の中では比較的読み易いものばかりです。反面、深く記憶に残るような作品には出会えませんでした。ここは、ちょっと残念。
2020年6月19日 / 最終更新日 : 2020年9月11日 レペ 国内小説 【本の感想】深水黎一郎『ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!』 真犯人は本を読んでいる読者その人、という挑戦的なミステリです。古今東西のミステリで、実は探偵が犯人でした!等、意外や意外の犯人当ては数々あれど、本作品が示す犯人像は過去に例を見ません。まさに、ウルチモ・トルッコ(究極のトリック)です。
2020年6月18日 / 最終更新日 : 2022年4月2日 レペ 国内小説 【本の感想】原田マハ『キネマの神様』 あちらこちらに映画好きならではの作品への言及があります。読了時、自分はよく観た映画を思い出し、暫しノスタルジックな感慨に耽りました。ラストシーンは、ニュー・シネマ・パラダイスだろうなぁ・・・。
2020年6月16日 / 最終更新日 : 2020年10月28日 レペ 国内小説 【本の感想】辻村深月『凍りのくじら』 少し・不在(S・F)な、ドラえもん愛 女子高生が主役の連作短編集です。失踪した父、病におかされた母、精神が不安定な元恋人、安らぎを与えてくれる謎(?)の男子。ドラえもんのひみつ道具を象徴的に使い、物語が展開していきます。
2020年6月14日 / 最終更新日 : 2020年6月11日 レペ 国内小説 【本の感想】吉川永青『時限の幻』 会津蘆名氏の執政 金上盛備と奥州の覇者 伊達政宗の虚々実々の攻防を描いています。「交渉力」がキーワードなのですが、盛備がさほど魅力的な人物に見えません。ゆえに主人公の最期の瞬間、感慨にふけることができませんでした。
2020年6月13日 / 最終更新日 : 2020年10月12日 レペ 国内小説 【本の感想】連城三紀彦『暗色コメディ』 夫と逢引をする自分自身を目撃した主婦、妻に幽霊と思われている葬儀屋等、不可思議な体験をした人々の群像劇です。狂気でかたずけられる危うさがありますが、著者の語り口の巧みさに酔いしれ騙し絵の世界で遊ぶのが正解しょう。
2020年6月12日 / 最終更新日 : 2020年12月14日 レペ 国内小説 【本の感想】松井今朝子『吉原手引草』 吉原の名高い花魁 葛城の失踪の謎を追うインタビュー形式の時代小説です。16人の弁(インタビュー)は、自分語り、世間話も交えながらで、吉原という非日常に息づく人々の、渦巻く欲望や悲哀、愛憎を浮かび上がらせます。
2020年6月11日 / 最終更新日 : 2020年7月29日 レペ 国内小説 【本の管理】伊坂幸太郎『ラッシュライフ』 様々な境遇の人々が織りなす群像劇。希望と絶望、信義と裏切り、愛と憎悪がごった煮となって、まさに豊潤な人生を味わえます。登場人物によってストーリーの厚味が違うのと一気呵成の爽快感といかなかったのが残念です。
2020年6月10日 / 最終更新日 : 2020年11月2日 レペ 国内小説 【本の感想】花村萬月『ゴッド・ブレイス物語』 花村萬月のデビュー作です。過激さはまだまだ鳴りを潜めているものの、もどかしいぐらいの愛が漂っています。音楽小説の王道的な展開ですが、個性豊かな男女(と男男!)の恋愛がストーリーを盛り上げてくれます。