2020年3月13日 / 最終更新日 : 2021年1月4日 レペ 海外小説 【本の感想】ウィリアム・H・ハラハン『亡命詩人、雨に消ゆ』 誘拐されたソ連からの亡命詩人をめぐるエスピオナージです。政府職員、元CIA、二人の男のそれぞれの思惑による探索行が並行して物語が進みます。ジェットコースターになりきれず、そして、スカっとが小さいという、地味な作品です。
2020年3月10日 / 最終更新日 : 2020年12月23日 レペ 海外小説 【本の感想】シャーロット・ジェイ『死の月』 夫が自殺した真の理由を探ろうと奮闘する妻の物語です。舞台は終戦間もないニューギニア。ミステリとしてというより、主人公の自立と近代化に向かう未開の人々が二重写しになった、文芸よりの仕上がりになっています。
2020年3月7日 / 最終更新日 : 2020年12月23日 レペ 海外小説 【本の感想】アーサー・メイリング『ラインゴルト特急の男』 ヨーロッパを股にかけた追跡劇です。せっかく良い味の悪役キャラを創り出しているのに、ハラハラ感がほとんどありません。結末は、予想通りではあるものの、締めくくり方は甘ったるいものになってしまいました。
2020年2月29日 / 最終更新日 : 2020年12月23日 レペ 海外小説 【本の感想】ドナルド・E・ウェストレイク『鉤』 スランプに陥ったベストセラー作家の狂気を描いた心理サスペンスです。売れない作家仲間に依頼した妻殺し。徐々に壊れていく男の凄まじい姿が見所。著者のプロットの組み立て方が垣間見える、お得な作品でもあります。
2020年2月28日 / 最終更新日 : 2020年12月23日 レペ 海外小説 【本の感想】トマス・H・クック『蜘蛛の巣のなかへ』 殺人事件を起こした挙句、自殺してしまった弟の過去を紐解く物語です。謎の小出しで読者を引っ張っていくストーリ展開が、クックの真骨頂ですね。すれ違う思いが不幸を生んでいくという湿度の高さがたまりません。
2020年2月26日 / 最終更新日 : 2020年12月23日 レペ 海外小説 【本の感想】ジョー・R・ランズデール『ロスト・エコー』 物音から、過去にその場所で起きた暴力と、それに伴う恐怖を体感してしまう青年を描いています。本作品は、サイコメトリックものというよりは、孤独な青年と、それを取り巻く人々の再生の物語なのです。
2020年2月24日 / 最終更新日 : 2020年12月17日 レペ 海外小説 【本の感想】ロバート・ゴダード『蒼穹のかなたへ』 フォーマットはミステリではあるものの、文芸作品に分類した方が納得できる重厚な作品です。やたらと多い登場人物と錯綜した人間模様、こんがらがったプロット。読み切るのになかなかの体力を要するゴダードの名品です。
2020年2月18日 / 最終更新日 : 2021年1月4日 レペ 海外小説 【本の感想】フランシス・アイルズ『殺意』 妻殺しを企む男を描いた倒叙ミステリです。”三大倒叙ミステリ”に数えられるだけあって、揺れ動く犯人の心理描写は絶妙です。じれったくも待ちに待ったラストは、お決まりのはずなのですが・・・ そうきたか!と感嘆してしまいました。
2020年2月15日 / 最終更新日 : 2020年12月14日 レペ 海外小説 【本の感想】フィリップ・K・ディック『ヴァリス』 狂気へ誘われた男が、秘密教義を著していく過程を描いています。神学、哲学、心理学、歴史学が、渾然となって捻り出された教義は、難解この上ありません。ディックの精神世界と博覧強記ぶりに圧倒される作品です。
2020年2月13日 / 最終更新日 : 2020年9月24日 レペ 海外小説 【本の感想】ブライアン・ガーフィールド『ホップスコッチ』 引退し老境に差し掛かった男が、世界を相手に一泡吹かせようと試みます。 プロットだけを読むと、”賞味期限切れ”男たちに夢と勇気を与える物語のようですね。ラストはもうひと華あっても良いんじゃないでしょうか。