【本の感想】ニコラウス・ピーパー『親子でまなぶ 経済ってなに? 』

本の感想 ニコウラス・ピーパー『親子でまなぶ 経済ってなに? 』

何!老後には2,000万円必要ですって?うむむ・・・

煽られたわではないですが、お子様の頃から経済について学んでいた方が良いだろうと、タイトルに本書を惹かれて手にとってみました。

ニコラウス・ピーパー『親子でまなぶ 経済ってなに? 』は、農業の始まりから近年のグローバリゼーションまで、主として欧米の歴史をたどりながら経済活動とは、を考えさせるものです。親子の”子”がどのくらいの年齢か明確ではありませんが、少なくとも日本の一般的な小学生にはハードルが高いかもしれません。西洋史が苦手な自分としては、読み進めるにあたって、かなりグーグル先生に頼りました。

なるほど、農耕、分業、交易・・・と、経済活動が発展していたか、その理屈が良く分かります。例えば、権力に何故、人々が縛られるのかは、アメリカの経済学者アンカー・オルソンの説を引用し

「「ひとつの場所にすみついた泥棒」に支配されるほうが、「いつまた来るかわからない泥棒」にお金やものを奪われるより落ちついて暮らすことができるわけです。」

と解説しています。実に明快です。日本の歴史を紐解いても当てはまりますね。現代で普通に使われている言葉(タレントなど)、その由来を知るのも知的好奇心をくすぐります。

労働、市場、手形、資本、取引所。

西洋の争乱や圧政から、民衆の創意工夫により経済活動が広がりをみせます。宗教的な価値観が底流にあることをあらためて認識しました。停滞をはさみながら、長い時間をかけて経済をとりまく環境は変化し続けたわけです。

国家の章では、17世紀ルイ14世の時代、重商主義政策や保護貿易に関する記載があります。要するに自国優先主義による関税のかけっこが、世界の経済にどのような弊害をもたらしたかの解説で、現代の世界情勢をみるとここに舞い戻ったかのようです。

経済の循環、機械制大工業、銀行、労働者、実業家、帝国主義、大恐慌、世界秩序、グローバリゼーションと章はつづきます。

経済活動の面から、少ないページ数で解説がなされているので、より深く知るにはそれぞれのテーマの関連書籍を参照すべきでしょう。自分は、スパルタクス、フッガー家、ポンパドゥール夫人、ロスチャイルド等、人物のキーワードから探ってみようかなと思います。読書の幅が広がりますね。

親子でまがぶか・・・うちの子供は読まないなぁ。

小ネタ:海外旅行の旅行中に支出は貿易外収支に「輸入」と記入されるそうです。「休養」というサービスを取り入れて(輸入)、元気になって帰国するからだとか。ほんとかいな。