2019年7月23日 / 最終更新日 : 2020年8月7日 レペ 国内小説 【本の感想】金城一紀『GO』 民族差別というものが根底にはあります。でも、それは逆境というひとつの制約の形を表しているのであって、これを殊更に注目すべきではないのかもしれません。逆境に押し潰されそうになりながら、それ跳ね除けるバイタリティとタフさ、その快活さを見るべきなのです。
2019年7月22日 / 最終更新日 : 2020年11月20日 レペ 国内小説 【本の感想】重松清『ナイフ』 5つの短編からなる作品集で、うち4作品はいじめを背景としています。いじめを受けている子供たち、そしてその家族に寄り添うように著者は語りかけます。子供の気持ち、親の気持ちそれぞれを理解できてしまうので、穏やかではありません。琴線を鳴らされまくったようです。
2019年7月21日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 海外小説 【本の感想】中村融 、山岸真 編『20世紀SF』全6巻 2001年 SFが読みたい! 海外編第2位。 河出文庫の中村融、山岸真 編『20世紀SF』は、1940年代から1990年代までの海外SFの名品を集めたアンソロジーです。それぞれの作家の短編集で読むことができる作品はありま […]
2019年7月20日 / 最終更新日 : 2020年8月11日 レペ ビジネス・自己啓発 【本の感想】梅田悟司『「言葉にできる」は武器になる。』 ちらりと目を通したところ、またまた似たようなコミュニケーションに関する売れ筋(!)の自己啓発本かと思いました。ところが、よく読むと、言葉を自分の中で熟成するプロセスなど精神論に終わらない主張が述べられていて、フムフムとなります。
2019年7月19日 / 最終更新日 : 2020年9月23日 レペ 海外小説 【本の感想】セオドア・ローザック『フリッカー、あるいは映画の魔』 一人の青年の数奇な運命を描いた単純な物語です。しかし、それに肉付けされる哲学的とも、宗教的ともいえる虚実織り交ぜた巧緻な描写に、翻弄されることしきり。手に取ったなら、最後まで読み通して欲しい逸品です。満足感は大でしょう。
2019年7月18日 / 最終更新日 : 2021年7月5日 レペ 国内小説 【本の感想】西加奈子『漁港の肉子ちゃん』 快活過ぎるエキセントリックな性格の母、通称 肉子ちゃん。肉子ちゃんと悩める美少女の娘の愛が溢れ出る作品です。登場人物らの善意が良いですね。いや、笑ろたっ!そして、感動したっ!逆境を跳ね返す勇気を貰えるねっ!
2019年7月17日 / 最終更新日 : 2021年1月6日 レペ 国内小説 【本の感想】横山秀夫『影踏み』 ”ノビ師”といわれる侵入盗が主役の連作短編集です。人間の本質を抉っていく横山節は、追われるものを主役に据えているためか、切迫感を伴なった重苦しさと切なさが漂います。
2019年7月16日 / 最終更新日 : 2020年8月7日 レペ ノンフィクション 【本の感想】アンティエ・ヴィントガッセン『独裁者の妻たち』 独裁者とは、権力に魅了され、権力を維持する事に血道を上げる人々。 アンティエ・ヴィントガッセン 『 独裁者の妻たち 』は、独裁者その人ではなく、その妻、愛人たちにスポットを当てていて、彼女らの生い立ちから、権力を掌握した絶頂の時、そして終焉までを紹介するものです。
2019年7月15日 / 最終更新日 : 2020年10月28日 レペ 国内小説 【本の感想】古川日出男『アラビアの夜の種族』 書物の、書物による、書物のための物語です。翻訳小説という体裁を取りながら、著者らしいリズムを保った美しい日本語で彩られた奇書の幕開けです。夜ごと語られた百物語の結末は!読了した時に初めて本作品がミステリとして楽しめるものだと気付くのです。
2019年7月14日 / 最終更新日 : 2020年11月19日 レペ 国内小説 【本の感想】舞城王太郎『ディスコ探偵水曜日』 まい子専門の探偵ディスコ・ウェンズデイが主役の、奇妙奇天烈な物語です。文庫上中下巻と分量からして読む前から覚悟が必要な作品。そして読み進めながらも、途中で挫折しそうな気持を奮い立たせていく読書アスリート的な心構えが必要な作品です。