【本の感想】越谷オサム『階段途中のビッグ・ノイズ』
伊藤たかみ『ぎぶそん』にハマり、越谷オサム『階段途中のビッグ・ノイズ』を読んでみました。(リンクをクリックいただけると感想のページに移動します)
大まかなストーリーの流れは似ていて、本作品も、キュートでストレートなロック&青春小説です。(『ぎぶそん』の方が、若干、ナイーブかもしれません)
先輩たちの不祥事で、廃部寸前に追い込まれている本田高校 軽音楽部。たった一人残った啓人は、幽霊部員の伸太郎に引っ張られ、軽音楽部の存続を賭けて、文化祭”田高マニア”でのライブを目指すことになります。メンバーはたったの二人だけ。不祥事のせいで、冷たい目で見られている彼らに、果たして一発ドカン!はくるのでしょうか・・・
残りのメンバー探しから始まって、反発、和解、涙、友情、恋、そしてアクシデント、という分かり易い展開です。絶対こうなると先が予想ができてしまいます。
・・・これが実に心地良いのです。
どうにも頼りない主人公 啓人、直情径行型の伸太郎、ギターテク抜群のモテ男 勇作、掴みどころのない徹。屋上に差し掛かる階段途中の部階(=部室)で、彼らの奏でる音楽が、不協和音から一体感に変わる時、感動が生まれ。やがて、他の生徒たちも、除々に理解を示すようになって・・・
目頭がアツい。だが、ここでウルウルしてはいけません。クライマックスのライブが待っています。
詰め掛けた大勢の観客。高まる歓声。リードギターの勇作が、アクシデントを抱えたまま、1曲目「ウィ・ウィル・ロック・ユー」(クイーン)が始まります。どうなるの・・・
・・・ ・・・ ・・・
やっぱりそきたかー!
ああ~幸せ。青春小説は、ある程度、予想通りにならなければいけないのだと確信しました。
本作品は、何といってもキャラクターが生き生きとしていて良いですね。バンドメンバーの他に、マッシュルームカットの顧問 加藤先生(カトセン)、啓人の気になるコ 亜季、バンドをそれとなく応援する校長先生、軽音楽部と敵対(?)している森先生などなど。彼らを巻き込んでのライブの描写が素晴らしい。映画になったら、自分はきっと泣くでしょう。
本作品を読みながら、何度も繰り返してグリーン・デイのベストアルバムを聴ききました。アオハルかよ!
どぅーゆはうだたい・とぅーりっすんとぅみーぅわいん ♪
“Bascket Case” song by Green Day
う~んロック最高!カバーイラストも見ているだけで元気がでます。ステキ!
本作品が原作の、亀屋樹 画 マンガ『階段途中のビッグ・ノイズ』はこちら。うむむ・・・
グリーン・デイ(Green Day)「バスケット・ケース」(Basket Case)はこちら。まだ、メンバー皆、若いですね。