2019年6月21日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 海外小説 【本の感想】アーサー・C・クラーク『地球幼年期の終わり』 宇宙からの未知の生命体に、友好的(!)に席捲された世界を描いています。異星人の意図ははたして?様々な角度から深読みすれば幾通りもの疑問とそれに対する答えが湧き上がってくる名品です。
2019年6月20日 / 最終更新日 : 2020年10月28日 レペ 国内小説 【本の感想】古川日出男『二〇〇二年のスロウ・ボート』 村上春樹『中国行きスロウ・ボート』をサンプリングした作品だそうです。思わず頬が緩んでしまう著者独特の文学的表現が、とっても心地よいですね。、どこをサンプリングしているかを探す楽しみもあるので、原曲にも目を通しておいた方が良いでしょう。
2019年6月19日 / 最終更新日 : 2020年9月23日 レペ 国内小説 【本の感想】金原ひとみ『蛇にピアス』 身体改造に魅せられた女性の物語です。ピアスは鎧の表象のようなので内面に踏み込むものを恐れているのでしょう。他者との関係を絶っていかなければ、自身が壊されてしまう。そういう生き方しかできない不器用さを感じました。
2019年6月18日 / 最終更新日 : 2020年8月18日 レペ ノンフィクション 【本の感想】ジャン・デ・カール『狂王ルートヴィヒ―夢の王国の黄昏 』 バイエルン国王ルートヴィヒ二の評伝です。本書は、ルートヴィヒ二世を一般に喧伝される現実理解の欠如した人物としてではなく、聡明さにスポットを当てようと試みています。
2019年6月17日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ 海外小説 【本の感想】ダン・シモンズ『ザ・テラー 極北の恐怖』 19世紀中頃、英国の北西航路発見を目指した探検隊の全滅史です。実際の総員125名遭難事故が題材ですが、探検行はシモンズの創作。文庫1000頁を越す大著であり、読むのに骨が折れるものの、冒険小説+伝奇ホラーとして満足度が高い作品です。
2019年6月16日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ ノンフィクション 【本の感想】山本博文『切腹 ~ 日本人の責任の取り方 ~』 切腹を題材に日本人的な責任論を展開するものです。主命により死を賜る江戸時代の武士たち。理不尽な理由であってもプライドをもって命をなげうつ事例が多数あげられています。この時代に生まれついていない幸運を喜びたくなります。
2019年6月15日 / 最終更新日 : 2020年9月9日 レペ 国内小説 【本の感想】吉田修一『さよなら渓谷』 過去の悲惨な出来事から抜け出せない男女。赦されたいけれどそれは別れを意味する。赦したいけれど赦すと自分を見失ってしまう。 哀しみや憎しみから出発する愛もある。ひとつの愛のかたちとして受け止めました。
2019年6月14日 / 最終更新日 : 2020年8月5日 レペ ノンフィクション 【本の感想】加賀乙彦『死刑囚の記録』 東京拘置所の精神科医官として勤務した著者が、多くの死刑囚と接見し、彼らの拘禁心理を研究として著したものです。死刑が確定して以降の受刑者のその後を知り、人道的な観点から様々な意見を喚起する貴重な一冊です。
2019年6月13日 / 最終更新日 : 2020年8月31日 レペ 国内小説 【本の感想】川上未映子『乳と卵』 夏の数日が饒舌文体にて軽快に描かれた作品。日常の些細な一コマ一コマに、主人公の脳内を言葉が駆け巡ります。読み進めると、主人公の人となりが、会話の捉え方、ものの見方に察せられます。実に愉快です。
2019年6月12日 / 最終更新日 : 2020年10月28日 レペ 国内小説 【本の感想】辻村深月『島はぼくらと』 瀬戸内海の離島に暮らす、男女四人の高校生が主役の青春物語です。大人未満の彼らの、押しつけがましくない友情がリアル。びっくり仰天な展開はありませんが、退屈することなく読み進められるでしょう。まんまと(?)清々しさを感じてしまうのでした。