【映画の感想】『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム

アベンジャーズ/エンドゲーム後、サノス(ジョシュ・ブローリン)の”指パッチン”で消滅した半数の人類が、アベンジャーズの活躍で復活を遂げた世界。すっかり日常の生活に戻ったピーター・パーカー=スパイダーマン(トム・ホランド)は、クラブのヨーロッパ旅行でMJ(ゼンデイヤ)に想いを告白しようと策を練る日々を過ごしています。

消された人類と消されなかった人類の間に5年のタイムラグはあるものの、世界の終わりなどなかったかのように緩やかに物語が進みます。

アベンジャーズの仲間入りをしたスパイダーマンは、おちゃめでチャーミングな高校生の役どころで、内省的で繊細は初代のトビー・ マグワイア や、アメージングスパイダーマンのアンドリュー・ガーフィールドよりも好みです。

本作品では、MJをめぐって恋のライバル出現!でピーターの右往左往する様が笑いを誘います。スパイダーマンは、いつでも会えるご近所スーパーヒーローですから、宇宙を巻き込んだ紛争で活躍するのは違和感大ありなんですが、本作品でそもそもの立ち位置に戻ったような印象を受けました。

旅の途中、突然あらわれたエレメンタルなる巨大モンスター。そして、それを倒すために異次元から来た戦士ミステリオ。MJへの恋の行方が気になるピーターは、ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)の励まし(?)もあって、渋々、最強のエレメンタル掃討作戦に参戦します。

前半の山場はココですね。この盛り上がりがラストまで続くのか、自分は大人なので上映時間を逆算して気になります。

ミステリオのアベンジャーズ加入、そして、トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)の後継者の決定で、あれれ、もう終わっちゃう?いやいや、そうではありません。ここから、スパイダーマンの本編が始まるのですよ。

お調子者だけど正義感の強いピーターの、満身創痍の戦いを見よ!大画面でたっぷりとアクションを堪能した後の爽快感は、1週間は反芻できるでしょう。

本作品の続編は、もちろんあるんでしょうね。ピーターにはシリアスな戦いは似合わない。等身大(!)スーパーヒーローを続けて欲しいものです。

子供に付き合ってアベンジャーズを見続けたら、すっかり詳しくなってしまいましたよ。

ところで、自分にとってのスパイダーマンは、絵師 池上遼一の手よる『スパイダーマン』。日本を舞台にしたダークヒーローものです。 1970年作品だから、小学生の頃に読んでいたのか。なんとまぁ。

池上遼一『スパイダーマン』